香川県議会 > 2020-02-02 >
令和2年2月定例会(第2日) 本文

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  1. 香川県議会 2020-02-02
    令和2年2月定例会(第2日) 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)   出  席  議  員    大  山  一  郎 君    西  川  昭  吾 君    松  岡  里  佳 君    鏡  原  慎一郎  君    氏  家  孝  志 君    高  木  英  一 君    白  川  和  幸 君    岡  野  朱里子  君    秋  山  時  貞 君    斉  藤  勝  範 君    松  本  公  継 君    山  本  悟  史 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    新  田  耕  造 君    佐  伯  明  浩 君    松  原  哲  也 君    谷  久  浩  一 君    樫     昭  二 君    山  田  正  芳 君    香  川  芳  文 君    三  野  康  祐 君    森     裕  行 君    五所野尾  恭  一 君    花  崎  光  弘 君    十  河     直 君    高  城  宗  幸 君    有  福  哲  二 君    広  瀬  良  隆 君    辻  村     修 君    石  川     豊 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    綾  田  福  雄 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君
       都  築  信  行 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君   欠  席  議  員    な        し    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事   浜  田  恵  造 君           副  知  事   西  原  義  一 君           病院事業管理者   太  田  吉  夫 君           審  議  監   安  松  延  朗 君           政 策 部 長   大  山     智 君           総 務 部 長   東  田  晃  拓 君           環境森林部長    木  村  士  郎 君           健康福祉部長    安  藤  照  文 君           商工労働部長    浅  野  浩  司 君           交流推進部長    新  池  伸  司 君           農政水産部長    国  分  伸  二 君           土 木 部 長   片  山  秀  樹 君           知事公室長     淀  谷  圭三郎  君           危機管理総局長   土  岐  敦  史 君           文化芸術局長    佐  藤  今日子  君           子ども政策推進局長 小  川  秀  樹 君           会計管理者     宮  武  卓  朗 君           病 院 局 長   岡  内  浩  二 君           教  育  長   工  代  祐  司 君           公安委員会     川  東  祥  次 君           委  員  長           警察本部長     岡  部  正  勝 君           代表監査委員    三  谷  和  夫 君           監 査 委 員   亀  井  孝  行 君           事 務 局 長           人事委員会委員   平  尾  敏  彦 君           人事委員会     岡  田  総  一 君           事 務 局 長           労働委員会     山  本  浩  司 君           事 務 局 長           政策部次長     椋  田  那津希  君    ─────────────────────────────     議  事  日  程(第二号)                  令和二年二月二十日(木)午前十時開議 第  一 議案第一号から議案第四号まで及び議案第六号から議案第三十六号      までに関する質疑 第  二 県の一般事務に関する質問    ───────────────────────────── ◯議長(大山一郎君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付のとおりであります。  日程に入るに先立ちまして、諸般の報告をいたします。  職員に朗読させます。    (職員朗読)   諸般の報告 一、議案第六号に係る地方自治法等の一部を改正する法律(平成二十九年法律   第五十四号)附則第二条第七項の規定に基づく監査委員の意見は、配付の   とおりであります。 一、議案第十七号及び第二十一号に係る地方公務員法第五条第二項の規定に基   づく人事委員会の意見は、配付のとおりであります。 一、陳情三件を受理いたしました。 ◯議長(大山一郎君)以上で諸般の報告を終わります。    ───────────────────────────── ◯議長(大山一郎君)日程第一、議案第一号から議案第四号まで及び議案第六号から議案第三十六号までを議題とし、ただいまから議案に関する質疑並びに日程第二、県の一般事務に関する質問を併せて代表により行います。  自由民主党香川県政会代表黒島 啓君。    (黒島 啓君登壇、拍手) ◯黒島 啓君 私は、ただいまから自由民主党香川県政会を代表して、当面する県政の諸課題について、知事、教育長並びに警察本部長に質問をいたします。  質問に先立ちまして、一言申し述べたいと思います。  私の部屋には、「初心」と書かれた額を飾っております。また、部屋を出るときに一番目につく玄関に「初心忘るべからず」と書かれた絵手紙を置いております。能役者の世阿弥の言葉であります。今は、やり始めたときの新しい謙虚な気持ちで、新鮮な気持ちを忘れるなの意味で使われているようであります。この意味は、これで大切な教えであると思いますし、私もそのように思っておりました。簡単なことのようですが、なかなか私には実行できませんでした。  あるとき、本来の意味は、初心というのは初めての体験を意味し、生涯は初心の積み重ねであり、各時期で体験したことを忘れないのが成功の秘訣であるという意味であるということを教えられました。私は、なるほどと合点がいったことを覚えています。  私にとっても、初めて地方議会に志を持って臨み、町議会議員になったときのことや、また、県議会議員に初めて当選したときのこと、議長のときの病院から議会に来たときのことなど、一つ一つの体験があって今の自分があり、そのときのこと、心境を積み重ねていく中で、少しずつでも議員としての成長があり、そのことが初心なのだとこのごろ考えるようになりました。  今、世界では、私のような凡人では考えられないような事象が次々と起こり、来年の日本、五年後の世界など、どうなっているのかわからないようなことが次々と耳に飛び込んできます。しかし、私は、毎日毎日の積み重ねが大切なんだと頑張るしかありません。それが「初心忘るべからず」なんだと思います。  知事には、その先頭に立ってもらわなければなりません。すばらしい知識と長年にわたる経験、特に知事になってからの十年近くの毎日の仕事ぶりには敬意を表したいと思います。  誰も知事のレベルまでついていけません。知事にはわかっているのでしょうが、私にはわからないことがたくさんあります。ですから、答弁には、私のような凡人にも理解できるように、具体的かつ平易な言葉で返答していただくことをお願いして、質問に入ります。  質問の第一点は、令和二年度当初予算案についてであります。  先月二十日の第二百一回通常国会の施政方針演説において安倍総理は、「日本の令和の新しい時代をともに切り開いていこう」と訴え、防災・減災、国土強靱化を進め、災害に強いふるさとをつくり上げること、子供たちからお年寄りまで全ての世代が安心できる全世代型社会保障制度を目指していくことなどを表明されました。今、我が国が直面する急激に進む人口減少と少子高齢化、大規模・頻発化する自然災害、激動する国際情勢など山積する課題に対応するため、政府は消費税増収分を活用した高等教育の無償化や、個人消費や投資を切れ目なく下支えするための経済対策の費用などを盛り込んだ、一般会計総額が八年連続で過去最大を更新する百二兆六千五百八十億円の令和二年度予算案を国会に提出しております。その中では、経済再生と財政健全化の両立を実現するため、新経済・財政再生計画のもと、歳出改革の取組を継続させ、新規国債発行額は八年連続で減額し、プライマリーバランスは二〇二五年度の黒字化を目指すこととしています。  一方、本県財政は、昨年の財政運営指針の見直しで示されたように財源対策用基金等の全額を取り崩すなど、これまで同様の対策を講じても、なお多額の財源不足が見込まれる厳しい状況にあります。しかしながら、財政健全化も重要ではありますが、防災・減災対策をはじめ、人口減少対策地域活性化対策など、本県が直面する課題に向き合い、対策を講じていかなければなりません。  さきの十一月定例会の代表質問において来年度予算の編成の考え方について知事にただしたところ、最終年度を迎える新・せとうち田園都市創造計画の仕上げに向け、二十一の重点施策を着実に推進する旨の答弁がありました。令和二年度当初予算案は、令和になって初めて編成した年間総合予算であって、新しい時代の香川をつくる予算になりますが、人口減少、少子高齢化が急速に進行する中であっても、本県のさらなる飛躍発展のために、新しい施策も含め、様々な施策に取り組んでいく必要があります。  そこで、来年度当初予算においてどのような考え方で編成し、どのような施策を具体的に推進しようと考えているのか、知事にお伺いをいたします。  質問の第二点は、新県立体育館についてであります。  新県立体育館の整備事業は、建設工事費が百七十億円から百九十億円に及ぶ後世に残る一大事業であり、その意義は、多額の未来投資によって何十年も継続して人を集客できる施設をつくることで、本県にとっての地方創生を実現することにあります。  しかしながら、本アリーナの基本設計時においては、コンストラクションマネジメントを採用したにもかかわらず、広大な曲面の大屋根の採用などデザインに集中し、設備面については近隣の同規模のアリーナとの比較検討が行われていないなど、ほとんど議論されていない中で基本設計が完了し、来年度の予算編成が行われています。今のままでは、四国という地理的条件の中で、機能性は同様施設より下回る可能性が高く、イベント事業者等への収益性や機能性において大きなセールスポイントが示されておらず、多くの団体・イベントから選ばれるアリーナとはなり得ないと思います。昨年十月末に基本設計が完了されてから、知事より我々に何の説明もありませんので、県議会としても検討材料がない状態にあります。  そこで、現在疑問に思える点を質問したいと思いますので、私にも十分理解できる、理解できない原因の一つになっている新県立体育館の基本・実施設計業者の選定方式について、提案者に設計案を求めるコンペ方式ではなく、技術提案書競技方式である公募型プロポーザル方式が採用されているところに、私が理解できない大きな原因があると考えます。  国土交通省がプロポーザルの留意点などを紹介したパンフレット「プロポーザルを始めよう!」という冊子がありますが、質の高い建築設計を行うために最も重要なのは設計者の能力や経験などの資質であり、設計者の持つ創造力や確かな技術力、これまでの経験の蓄積に基づく専門家としての豊かなノウハウが求められるとともに、発注者側にとっても、高度な技術力や専門的な知識がいい建築物を実現する上で必要であると明記されています。また、その実施に当たっては、価格が高くても提案内容がいいと判断されると受託者となるため、提案内容の評価基準について客観性を確保し、募集の際にあらかじめ明示しておくことが重要であると言われています。  国土交通省によりますと、PFI手法による官庁施設の整備に際しては、求めるサービスの水準を明示するものである業務要求水準書の作成が求められておりますが、これは、発注者は入札予定価格を、民間事業者は入札価格をそれぞれ算出するための基礎資料となる重要な図書であり、実施方針公表時など早い段階でその案を公表し、民間事業者の意見を求め、お互いに理解を深めておくことが望ましいとされています。例えば、横浜アリーナや福岡市総合体育館の整備においても同様の書類が作成されており、プロポーザルを採用した新県立体育館においても、同様に基本設計の段階で発注者の意図を明確に示す必要があったと考えますが、県議会には説明がなされておりません。  そこで、まず、新県立体育館の整備に当たり、業務要求水準書に該当するような図書が作成されていたのか、知事にお伺いします。  また、これまで県では、公共事業の入札参加要件において、対象建築物の延べ床面積等の八割以上の実績を求めるなど過去の実績を重視してきましたが、今回のプロポーザル参加資格要件では、延べ床面積の実績を一割以上と低く設定し、なおかつ、体育館やアリーナの整備実績がない設計業者が選定されております。この点に関して、県立体育館整備等に関わる特別委員会において、延べ床面積の実績を一割以上と低く設定したことをどのように評価するのかとの質問に対し、理事者からは、幅広く募集を受け入れる観点から参加資格要件を広げたものと認識しているとの答弁がありましたが、参加資格要件を広げた結果、基本設計において十分な設計案ができず、不都合が生じていると私は考えます。  また、公共事業や納入業者等の選定過程において、県民の厳しい視線が注がれる中、今回のような特例的な緩和措置は県民の理解を得られるものではなく、今後の公共事業等の実施プロセスにおいて県の信頼性を大きく揺るがす可能性も否定できず、到底納得できるものではありません。  そこで、新県立体育館における基本・実施設計業者の選定に当たり、どのような検討を経て公募型プロポーザル方式の採用について決定したのか、また、設計者の能力や経験が重視される本方式が採用される中、今回の特例的な緩和された参加資格要件について、どのような検討を経て決定したのか、知事にお伺いをいたします。  加えて、コンストラクションマネジメントの実施過程において、規模の縮小や材質変更等により事業費を百七十億円から百九十億円に抑えることができたとありますが、同業務において算出された各種縮減前の当初案の事業費は一体幾らであったのか、また、そのうち設備に要する費用の総額に対する割合について、他のアリーナと比較してどのような状況にあるのか、併せて知事にお伺いいたします。  また、知事は昨年末の定例記者会見において、設計者から提出された基本設計は、新香川県立体育館整備基本計画で定めている競技スポーツ施設、生涯スポーツ施設交流推進施設としての機能や建設工事費の実現、類似施設との競争力の確保など、基本設計段階での必要な整理はなされていると考え、現行の契約どおり実施計画に進むという判断に至ったところであると表明されました。しかしながら、特に設備の機能性について具体的な説明がなされていません。  例えば、完成から二十年が経過するさいたまスーパーアリーナ横浜アリーナをはじめ、近隣の新設体育館では、ボタン一つで操作できる可動席が採用されていますが、本アリーナにおいて同様の設備が計画されていません。現在の基本設計の説明をいただいた中では、千席にも及ぶ椅子の設置が人手によって行われることが必要となっております。また、利用目的に応じた床の張り替えが必要となるなど、ほかの体育館利用時に比べて多額の費用と多大なる手間が発生いたします。  また、アリーナと交流エリアとが一体となっており、壁や扉での仕切りもないことに起因してのセキュリティーの問題や、一体構造に加えて外周全体がガラス張りであることによる空調費の増大及び防音機能の不備によりステージがアリーナ出入り口部にしか設置できないこと、さらには選手がウオーミングアップに使用するトレーニングルームがなく、会議室数やアーティストの控室数の確保が十分ではないなど、説明や意見を述べる場もなく進められているため、多くの関係者が本アリーナの機能性に対して不安を感じており、このままでは地元競技団体を含めた多方面の団体・イベントから選ばれるアリーナとはなり得ないと思います。特に、ステージの固定化や可動席が設置されていない、床の張り替えの点などは、致命的な欠陥と考えられます。  そこで、知事は、基本設計段階での必要な整理はなされていると考え、実施設計に進むという判断に至ったと一定の評価をされましたが、設備の機能性が十分に確保されていると判断した内容についてお伺いいたします。  また、近隣の新設されているアリーナに比べて、新県立体育館が多くの団体・イベントから選ばれる施設となるために、どのような特筆すべき機能性を有し、利用料や設営時の手間の低減を図っているのか、知事にお伺いをいたします。  さらに、運営主体をどうするのか、ランニングコストの算出など、まだまだ検討が十分されていない不明な点が多くあります。私には、どうしても基本設計から実施設計に移る時点で価格を上げずにどう解決できるのかわかりません。  そこで、さきに述べたように、防音機能の不備によりステージがアリーナ出入り口部にしか設置できないことなど、多くの関係者が不安に感じている前出の各種問題点が確実に解消できるのか、また、どのように対処するのか、加えて、現在、進められている実施設計の実施過程において、これまでの県議会からの機能性などに対する提言を知事は反映する意思がおありなのかどうか、お伺いをいたしたいと思います。  質問の第三点は、新型コロナウイルス感染症への対応についてであります。  昨年十二月に中国の武漢市で発生した新型コロナウイルスについては、中国をはじめ、日本、タイ、韓国、台湾、米国など多くの国々に感染が広がっており、先月三十一日には、こうした事態を受けて世界保健機関、いわゆるWHOの緊急委員会において、武漢市における新型コロナウイルス感染症関連肺炎の発生状況が国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態に該当するとの発表が行われたところであります。  一方、日本国内では、神奈川県において先月十五日に武漢市で滞在歴のある肺炎の患者が報告されたことをはじめとして、現在までにクルーズ船の乗船者やチャーター機による帰国者を含めると七百名を超える方が新型コロナウイルスに関連した感染症の患者として報告され、また、最近では東京都や和歌山県などで渡航歴のない人から人への感染も確認されており、これ以上の感染が拡大しないよう、また、感染が発生した場合に迅速に対応できるよう、早急な対策が必要となっております。  こうした中、国においては、感染が拡大している新型コロナウイルス感染症について、対策を総合的かつ強力に推進するため、先月三十日に新型コロナウイルス感染症対策本部を立ち上げ、情報共有を図り、様々な対策が検討されており、新型コロナウイルスによる感染症を感染症法上の指定感染症とする旨の政令を定め、今月一日から施行するなどの対策が図られているほか、当面の間については、日本への入国前十四日以内に湖北省及び浙江省における滞在歴がある外国人などについては、特別の事情がない限り、その入国を拒否するとともに、水際対策として、感染症の罹患の疑いのある患者については空港や港湾の検疫所で感染していないかの確認を行うなど、幅広い対策が行われているところであります。  本県においても、こうした事態を踏まえ、新型コロナウイルス感染症に関する相談を受け付けるための相談窓口を設置するなどの対策が行われていると聞いておりますが、新型コロナウイルス感染症については、その特徴がよくわからない点も多いため、不安に感じる県民も多いと考えられ、これまで以上に県民の安全・安心が確保できるよう、しっかりと感染症対策を講じていく必要があると思います。  そこで、今回の新型コロナウイルス感染症に対する対応について、現在、どのような取組を行っているのか、また、今後、どのように取り組んでいくのか、知事の所見をお伺いいたします。  質問の第四点は、将来を見据えた県政運営についてであります。  今定例会において令和二年度当初予算案が提案されておりますが、今なお刻一刻と社会情勢は大きく変化を続け、技術革新が急速に進んでおり、足元の課題への対応はもちろん、さらに一歩、二歩先の将来を見据えて県政運営を進めていく必要があります。
     申すまでもなく、我が国では少子高齢化生産年齢人口の減少が急速に進んでおります。地方においては、地域社会の担い手が減少しているだけではなく、消費市場が縮小し、地域経済が縮小するなど、様々な社会的・経済的な課題が生じています。この状況が継続すると、人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小がさらに人口減少を加速させるという負のスパイラルに陥ることとなります。  他方、AIやIoTなどによる技術革新で世界は大きく変化しており、こうした技術の活用は、社会、経済の双方の面から地域を一層豊かで魅力あるものとし、それが人を呼び、好循環を生む起爆剤となる可能性を秘めています。我々は、こうした社会情勢の変化や技術革新の動向を的確に捉え、これからの将来を見据え、香川県がどうあるべきかをしっかりと考えていかなくてはなりません。  こうした中、県は、来年度当初予算案に次期総合計画の策定費用を計上しております。その策定に当たっては、しっかりとしたビジョンを持ち、自らが責任を持って社会・経済状況の変化を捉えるほか、地域資源を分析するとともに多様な主体の参画を得るなど、地域特性に応じた検討プロセスを経て進めることが重要であります。ここ何年かの間で国においては、地域経済も含めた日本経済の成長戦略をはじめ、一億総活躍社会、全世代型社会保障、人生百年時代など、次々と政策を打ち出しております。本県でも国に呼応して各種施策に取り組んできたところでありますが、まだまだその実感が湧いていないように思います。また、本県でも人を呼び込む施策は充実しましたが、それだけではなく、どのようにすれば本県に住んでいただけるのか、また、地域に根づいている県民がいかに快適に暮らしてもらえるかを最重点に考えなければならないのではないでしょうか。  令和の新たな時代に香川県が生き残っていくために、私は、国による画一的な施策や国から押しつけられる施策ではなく、自立した自治体である香川県が、全国初の県域を対象とした水道広域化や地域資源である瀬戸内海を活用した瀬戸内国際芸術祭の開催を行うなどで示した、住民ニーズに合った、しっかりと地に足のついた施策を独自に考え、時には自治体同士で連携し、時には県民と協働し、自らのアイデアで自らの未来を切り開くことが重要であると考えます。  そこで、これから本格的に始まる令和の時代に、将来を見据え、香川らしさを出した県政運営をどのように進めていくのか、お伺いいたします。  質問の第五点は、香川用水施設の老朽化対策についてであります。  本県は、瀬戸内特有の温暖少雨の気象条件の下、年間の降水量が少なく、また、大きな河川もないことから、古くから度々渇水被害に見舞われてきた地域であります。先人たちは多くのため池を築造するなどして水資源を確保してきましたが、こうした厳しい水事情を抜本的に改善するため、昭和の大事業として整備されたのが香川用水であります。香川用水は、昭和五十年の本格通水の開始以降、これまでに約八十億立方メートルもの水を吉野川から県内に導水し、現在、県内水道水の約半分、農業用水の約三割を供給するなど、県民の日常生活や産業活動などに欠くことのできない、極めて重要な社会インフラとなっております。  香川用水の完成後、相当の年数が経過する中、水路などの劣化が顕著になってきたため、水道水や農業用水、工業用水を送水している共用区間においては、平成十一年から十七年にかけて、香川用水施設緊急改築事業として開水路の補修など大規模な対策工事が行われました。また、農業用水専用区間では、現在、国営かんがい排水事業香川用水二期地区による改修が行われるなど、これまで対策が講じられてきております。  こうした中、共用区間の幹線水路については本格通水から四十年以上が経過し、前回の緊急改築事業からも十五年近くが経過しておりますが、特に、高瀬支線では抜本的な老朽化対策が手つかずの区間であり、平成二十九年十月と昨年十一月には管本体が破損する大規模な漏水事故が発生したのをはじめ、これまでに三十六回の漏水事故が発生するなど、用水供給に大きな支障を来しており、早急な対策が求められております。  このため、県議会としても、香川用水の重要性などに鑑み、早期の老朽化対策の実施に向けて、一昨年、昨年と、知事とともに関係省庁に対する要望活動を行ったところであります。こうした要望の結果、令和二年度の政府予算案においては、共用区間を管理する独立行政法人水資源機構が事業主体となる香川用水施設緊急対策事業が事業着手地区として新規採択されたものと承知しております。  この事業実施に当たっては、国が定めた標準的な費用負担のガイドラインに基づけば、農業用水の負担対象分の五%は地元農家が負担すべきものとされておりますが、近年は農業従事者の高齢化や減少、耕作面積の減少など農家を取り巻く環境は大変厳しいものがあり、事業推進のためには、こうした状況を十分踏まえて対応すべきであると考えます。  そこで、今回の事業の概要や今後の見通しはどのようになっているのか、また、本事業の実施に当たっては農家負担に配慮した事業推進が必要であると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。  質問の第六点は、情報通信関連産業の育成・誘致についてであります。  AI、IoTなど先端技術の社会実装の進展やICT機器の普及により、我々の生活や働き方、企業の生産活動など、あらゆることが大きく変わろうとしています。これまで人が担ってきた作業をAIやロボットが代替、自動化することにより生産年齢人口の減少に伴う人手不足の解消につながるとともに、今後、自動運転が実現すれば地域交通や物流が確保されるなど、様々な地域課題の解決につながることが期待できます。また、ICTやネットワークの発達により、生活の面ではオンライン診療やIoTを活用した見守りサービス等、地方にいながら利便性の高いサービスを受けることもできるようになってくるでしょうし、働き方の面でも、世界中の人や企業を相手にしたビジネスを展開することも可能となってきております。  このように、先端技術、情報通信技術の活用は、少子高齢化の進展、生産年齢人口の減少に起因する地方の様々な課題の解決に資するだけではなく、自分に合ったゆとりのあるライフスタイルを実現しながら、大都市圏に劣ることのない利便性を享受することができる、地方の魅力、活力を高めるための力となり得るものでもあります。  そうした中、昨年十一月定例会の代表質問において知事からは、e─とぴあ・かがわに情報通信関連産業の育成・誘致拠点を設け、人材育成や起業等の促進、既存企業の競争力の強化、県外企業の誘致に総合的に取り組むことにより、若者の働く場を創出したいとの答弁があったところであります。私としましても、本県で情報通信関連産業の振興を図ることは、若者が魅力を感じる働く場の創出や県内企業や県民生活への先端技術の利活用の推進のために有意義なことであると考えており、この取組に期待するところでありますが、一方で、情報通信関連産業の素地が整っているとは言えない本県において、その振興を図ることは容易ではないとも思います。また、先端技術は目覚ましい速度で進化しており、県が整備をしようとしている拠点での取組については、国内外の先端技術の開発や利活用の動向を捉えて的確に推進していくことが重要であると思います。  そこで、本県で情報通信関連産業の育成・誘致に重点的に取り組んでいくに当たり、来年度はその第一歩を踏み出す重要な年度となりますが、具体的にどのような取組を進めていくのか、知事にお伺いします。  質問の第七点は、大規模災害に備えた体制づくりについてであります。  気候変動の影響で、近年の風水害は大規模化、広域化、そして激甚化しており、昨年は台風十五号や十九号などが日本の各地に甚大な被害を与えております。特に、台風十九号では、十三都県に大雨特別警報が発令され、その後の大雨による被害を含め、自宅で被害に遭われた高齢者や自動車での移動中に被災された方など、死者は九十九人を数えました。  国は、西日本豪雨を踏まえ、昨年三月に避難勧告等に関するガイドラインを改定しましたが、全市や全町の避難が発令された場合、どこに避難すべきか、また、本当に避難所等に収容できるのかといった声や、そもそも特別警報や避難勧告、避難指示における危険性の切迫性がわかりにくいとの声もいまだにあり、避難の実効性の確保や住民の視点に立った分かりやすい防災情報の提供等が課題となっております。  本県でも南海トラフ地震の発生が懸念されるとともに、大規模風水害がいつ発生してもおかしくない中、我が会派の令和二年度予算編成に対する重点要望において、防潮堤やため池等の整備を進めるとともに、大規模災害に備えた訓練の充実・強化、自主防災組織・消防団の充実、大学との連携、さらには県民の防災意識の向上などのソフト対策にも取り組み、総合的な防災対策を推進することを最重点事項に掲げております。  このように、防災・減災のため、災害発生前にはハードとソフト両面の様々な対策に取り組むことが重要でありますが、実際に大規模な災害の発生を念頭に置いた場合、冒頭の教訓などを踏まえると、危険な地域からいち早く避難できるよう、県民の適切な避難行動を支援するための行政としての情報収集や情報伝達、そして、市町や関係機関との円滑な連携が重要であることを改めて認識せずにはいられません。  例えば、県では防災情報システムを更新して機能強化を図るとともに、県民への情報伝達手段として新たに防災アプリを導入し、来年度から運用を始めると聞いております。今後は、この新たなシステムを最大限に活用し、県と市町、関係機関の間で情報共有を行うとともに、実際の住民の避難等に十分に生かせるよう訓練を重ねる必要もあるのではないでしょうか。  そこで、大規模災害に備え、被害を最小限に抑えるため、市町や防災関係機関と連携したさらなる体制づくりに県はどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いをいたします。  質問の第八点は、森林行政の推進についてであります。  森林や林業を取り巻く環境については、輸入木材の増加に伴う木材価格の低迷や人件費等の上昇等により、森林資源の循環利用を支えてきた林業が大きな打撃を受けていることから、放置森林の増加や放置竹林の拡大など、森林の適正な管理が困難になってきており、森林の有する多面的機能の低下が懸念されている状況にあります。また、近年、局地的な大雨や台風、林野火災等による山地災害が全国的に頻発しており、とりわけ昨年の台風十九号による東日本を中心とした甚大な被害は、森林の保水力の低下も一因ではないかと考えられており、このような大規模な土砂崩れや洪水、浸水といった都市部にも被害が及び得る災害から県民を守るためには、適切な状態で森林を維持・管理していくことが必要ではないかと考えております。  一方で、森林整備に必要な地方財源を安定的に確保する観点から創設された森林環境譲与税は、今年度から総額二百億円で譲与が開始されたところであります。しかしながら、国から自治体に配分される配分基準が大都市に有利であるなどの課題が見られるなど、今後、国において適切な配分基準への見直しに向けた検討が必要との議論がなされておりますが、国の制度変更により来年度は総額四百億円と前倒しで増額し、譲与されると聞いております。  本県の森林面積は約八万八千ヘクタールと県土面積の約半分を占めており、昭和四十年代後半の松くい虫被害跡地に植栽したヒノキが利用期を迎えております。このような中、県議会においても、県産木材の供給と利用を通じた森林の適正な整備を図るため、平成二十九年十一月定例会において香川県県産木材の供給及び利用の促進に関する条例を制定したところでありますが、森林が有する多面的な機能を今後も発揮させるためには、既存の治山事業や造林事業等に加え、森林環境譲与税の財源を有効活用しながら、間伐等の森林整備や林業の担い手確保、県産木材の利用をより一層促進するなど林業振興施策の充実を図るとともに、広葉樹や竹など県内の森林面積の約八割を占める里山の再生・整備にも積極的に取り組んでいく必要があります。  そこで、森林・林業をめぐる情勢の変化等を踏まえ、本県の森林行政について、今後、どのように取り組むのか、知事にお伺いいたします。  質問の第九点は、「子育て県かがわ」の実現についてであります。  子供は社会の希望であり、未来をつくる無限の可能性を秘めており、子供たちの笑顔があふれる活気のある社会を実現することは、私たち県民の願いであります。本県における令和元年の出生数は六千六百八十一人と、前年と比べて四・二%減少し、少子化に歯止めがかかっていない状況にあるほか、昨今、深刻な社会問題となっている児童虐待や待機児童問題など、子供や子育てを取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。  県は、本県の人口の将来展望を示すかがわ人口ビジョンにおいて、二〇六〇年の目標人口を七十六万人から七十七万人に上方修正する改訂案を示しておりますが、これを実現するためには、全世代型社会保障を見据え、全ての子供に光を当てた具体的な施策を推進していかなければなりません。  このような中、今定例会においては、「次代を担う子どもたちを安心して生み、健やかに育てることのできるかがわづくり」を基本目標とした第二期香川県健やか子ども支援計画が提案されたところであります。この計画では、児童虐待防止対策や待機児童対策などを含めた少子化対策や子ども・子育て支援に関する施策について、施策の方向性を示すとともに、具体的な数値目標が掲げられており、これらに基づき、より一層、子ども・子育て支援施策に取り組んでいくことが期待されるところであります。  子育てを取り巻く状況は地域や家庭によっても異なり、子供を保育所等に預けて働きながら子育てをしている御家庭への支援だけではなく、子供が幼いうちは保育所等を利用せずに在宅で子育てしている御家庭への支援も重要であると考えます。また、県内の子育て環境の一層の充実を図るためには、県全体で実施する事業だけではなく、市町が進める地域の実情に応じた施策について、県が応援していくことも重要であります。  その施策の一つであるかがわ健やか子ども基金事業について、昨年十一月定例会における代表質問に対し、知事からは、全ての市町から有益であり活用しやすいとの意見をいただいていることなどから、新たな基金事業について、来年度の予算編成の中で具体的に検討したいとの答弁があったところであります。このように安心して子供を生み育てることができる環境づくりのためには、各市町とも連携して社会全体で支援できる取組が必要であります。  そこで、「子育て県かがわ」の実現に向け、今後、どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いをいたします。  質問の第十点は、オリーブオイルのブランド力の強化についてであります。  昨年、私は、オリーブオイルの生産管理等の先進国であるスペインへ視察に参りました。マドリードに本部を置くIOCでは事務総長のアブデルラティフ・ゲディラ氏から、本県オリーブオイルの高品質化への引き続きの支援と併せて、オリーブの実を利用したオリーブ牛などの商品開発に対し、このような事例は世界で香川県だけであり、学ぶところが大きいとの御意見をいただくことができました。スペイン人にとってオリーブは産業であることはもとより、生活であり、文化であり、歴史であり、宗教でもあります。日本人にとっての稲作と同じように大切なものなのであろうと感じました。  本県においてもオリーブ産業の総合的な発展を図るため、新品種香オリ三号、香オリ五号の開発に成功するなど、生産者と県等が連携し産地形成に取り組んでいる中、平成三十年十一月には小豆オリーブ研究所に設置しているオリーブオイル官能評価パネルが国内初となるIOCからの公式認定を取得したことで、小豆オリーブ研究所の官能評価パネルによるかがわオリーブオイル品質評価・適合表示制度の基準に適合した製品は高品質であるというあかしになり、県内製造者の競争力の強化につながっていると考えます。  しかしながら、近年のオリーブオイルの人気の高まりから他県でも栽培面積が増え、国内生産量トップの座が脅かされているのも事実であります。また、現時点で、国内では官能評価と化学分析の双方でIOC認定を取得した機関はない一方で、大手油脂会社を中心に国際認定取得に向けた動きも見られます。オリーブの生産拡大や新品種の普及に取り組むことはもちろん、国内におけるオリーブオイルの評価機関としての地位を確たるものとするために、官能評価に続き、化学分析に関してもIOCの認定取得を早期に目指すことが、本県の国内オリーブ産業でのトップブランドとしての地位の確立につながると考えます。  そこで、まず、オリーブオイルの化学分析に関するIOCの認定の取得について、昨年十一月定例会の一般質問で対応を検討するとの答弁がありましたが、具体的な取組について知事にお伺いいたします。  また、今後、地域間競争の激化が予想される中、他県産のオリーブオイルとの差別化を図るためには、県産オリーブオイルのより一層の品質向上に努めながら、積極的な情報発信を行っていく必要があると考えます。  そこで、県産オリーブオイルのブランド力の強化に向け、今後、どのように取り組んでいくのか、併せて知事にお伺いいたします。  質問の第十一点は、地域高規格道路・高松環状道路の整備についてであります。  近年の激甚化する自然災害や南海トラフ巨大地震の発生確率の高まりに対し、安全・安心な県土づくりが求められております。また、少子高齢化が進む中、人口減少・活力向上対策の総合的な推進、地域経済の活性化や安心・安全な社会の構築に向けて本県を活力に満ちた地域にしていくには、四国における中枢拠点機能を向上させていくことが必要不可欠であると考えます。  県では、サンポート高松周辺の整備、高松空港の航空ネットワークの充実や空港へのアクセスを向上させるための空港連絡道路のほか、高松自動車道の四車線化など、産業や生活、観光振興の基盤となる交通ネットワークの整備を着実に進めており、これらのインフラ施設のストック効果を最大限に発現させるためには、インフラを効果的・効率的に結ぶことが必要であります。そのためには、高松自動車道、空港、高松港、さらにはサンポート高松を結ぶとともに、都市内の通過交通を排除し、高松市中心市街地の交通混雑の緩和が期待できる高松環状道路の整備は不可欠であります。とりわけ、国道十一号檀紙町付近からサンポート高松付近までは、平成十一年に調査区間の指定を受けている区間であり、大規模災害発生時に四国の防災拠点となる高松地方合同庁舎等が立地するサンポート高松と、高松自動車道や空港連絡道路を介して、四国で唯一、空港防災拠点計画に位置づけられている高松空港を結ぶことから、まさに、防災の面からも、その整備は急務であると考えております。  そこで、地域高規格道路の調査区間となっている国道十一号檀紙町付近からサンポート高松付近までの高松環状道路の整備に向けて、どのように取り組んでいくのか、知事にお伺いします。  また、サンポート高松以東には県立中央病院や耐震岸壁を有する高松港国際物流ターミナルがあり、高松環状道路の効果を一層発揮させるには、サンポート高松以東の整備も考えられます。一方、その整備に当たっては、都市計画決定している琴電連続立体交差事業のあり方が大きく関係してくると思われます。琴電連続立体交差事業は、事業の中止後十年が経過しており、都市計画の見直しも必要であると考えられますが、併せて知事の所見をお伺いいたします。  質問の第十二点は、新学習指導要領への対応についてであります。  近年、グローバル化や高度情報化、技術革新など、私たちを取り巻く社会環境が急速に変化し、将来が予測困難な状況にある中、少子高齢化の進行、経済格差の広がりによる子供の貧困問題、ネット社会をめぐる問題など、子供たちに大きな影響を与える社会問題も顕在化してきており、学校教育も大きな転換期を迎えております。  そのような中、ことし四月から小学校で新学習指導要領が全面実施されます。小学校五、六年生での英語の教科化やプログラミング教育の必修化など、新たな取組や内容の充実が盛り込まれ、小学校の教員の中には英語を教えることが不安だという声があったり、プログラミング教育の取組状況については、全国的に進んできてはいるものの、まだ十分ではないところもあるとの調査結果が出るなど、学校現場では本当に大変な状況にあると聞いております。  英語の教科化やプログラミング教育などが前面に出ていますが、今回の学習指導要領の改訂の根本には、これまで示されていた「何を学ぶか」という学習内容の充実だけではなく、「何ができるようになるか」、「どのように学ぶか」という観点から子供たちに身につけさせたい資質・能力を整理し、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善の推進が求められていると聞いております。  これまで県教育委員会は、平成十七年三月に、「夢に向かってチャレンジする人づくり」を基本理念とする香川県教育基本計画を策定し、五年ごとに見直しを行いながら、子供たちが豊かな知性と健やかな心身を兼ね備えたたくましい人に育つよう、様々な施策を進めてきました。具体的には、学力の向上はもとより、問題行動等の防止や、生活習慣の乱れ、家庭の教育力の低下など、複雑かつ困難化する課題にも取り組んできたほか、教員の指導力の維持向上にも努めてきたと聞いております。今後、これからの子供たちが生きていく社会を考えると、これまでの取組に加えて、社会の変化を前向きに受け止め、多様な人々と協力しながら主体性を持って人生を切り開いていく力を身につけさせることが重要と考えます。  そこで、小学校における新学習指導要領の理念をどのように捉え、具体的にどのような形で教育の充実を図っていこうと考えているのか、教育長にお伺いをいたします。  質問の第十三点は、警察官の能力向上についてであります。  社会情勢の変化や目まぐるしい技術の進歩により、子供、女性、高齢者が被害に遭う犯罪や事故の発生が後を絶たず、必ずしも体感治安が改善されているとは言えません。例を挙げますと、昨年度の香川県の児童虐待対応件数は過去最多の千三百七十五件であります。香川県で居住歴のある女児が引っ越し先で虐待を受け、死亡するという大変痛ましい事件は、いまだ記憶に新しいところであります。ほかにも、昨年六月には、大阪で交番勤務の警察官が襲撃され、拳銃が奪われるという全国を震撼させた事件が発生したほか、一昨年には富山県や宮城県でも交番が襲撃され、警察官が殉職・受傷する事件が発生しており、この種の事案の発生は、地域住民に計り知れない不安を与えるものであります。そのような中でも、警察は凶悪化する犯罪に迅速かつ的確に対応しなければならないことは言うまでもありません。  また、本年は、東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、日本を訪れる外国人の増加に伴い、当県を訪れる外国人の増加も見込まれるところであります。そのような外国人観光客に、安全で安心な香川を実感していただきたいと思う一方で、国際テロやサイバー犯罪への対応など、犯罪の広域化、ボーダーレス化と言われて久しく、治安における諸課題は高度化、多様化している現状にあります。  さらに、昨年十月の台風十九号では、東日本を中心に河川氾濫による浸水被害や土砂災害など甚大な被害が発生しました。県警察からも被災県へ警察官を派遣し、救出・救助活動を行ったと聞いております。近年は自然災害が激甚化、広域化しており、本県においても、いつこのような大規模な災害が発生するかわかりません。  多様化する犯罪に負けない、頼られる警察官であるためには、警察官一人一人の一層の能力向上が重要であると思います。  犯罪や交通事故のない安全・安心な社会の実現は、県民全ての願いであります。警察が強く優しい存在として多くの人に信頼され、かつ、警察官一人一人がその能力を十分に発揮・向上させることができる環境づくりを今まで以上に推進し、警察組織全体の力を質的に強化することができれば、より安全・安心な社会の実現や県民の体感治安の向上にもつながると考えます。  そこで、県民の期待と信頼に応える警察官の能力向上にどのように取り組むのか、警察本部長にお伺いをいたします。  以上で自由民主党香川県政会を代表しての質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(大山一郎君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)自由民主党香川県政会代表黒島議員の御質問にお答えいたします。  まず、令和二年度当初予算案についてであります。  令和二年度の当初予算編成に当たりましては、昨年十一月に見直した財政運営指針において試算した今後五年間の収支見通しが一層厳しさを増している中、施策の有効性の観点等からの事務事業の見直しやスクラップ・アンド・ビルドの強化など、一層の対策を講じつつ、限られた財源を喫緊の課題である「災害に強い香川づくり」と「人口減少問題の克服、地域活力の向上」に重点的に配分するなど、最終年度を迎える新・せとうち田園都市創造計画の仕上げに向け、創意工夫を凝らして編成いたしました。  具体的には、「信頼・安心のかがわ」の実現のため、河川・海岸の地震・津波対策やため池の耐震改修などを着実に進めると同時に、災害時の情報伝達体制を充実し、災害対応訓練等を強化するなど、ハード、ソフト両面での防災・減災対策を強力に推進してまいりますほか、新・かがわ健やか子ども基金事業などによる子育て環境の一層の充実、ネット・ゲーム依存対策の総合的な推進、ドクターヘリの導入など質の高い医療提供体制の確保を図るとともに、交通死亡事故抑止対策などにも積極的に取り組んでまいります。  また、「成長するかがわ」の実現のため、若者に魅力のある働く場の創出として、情報通信関連産業の育成・誘致に新たに取り組むほか、県内企業の先端技術の導入や外国人材の受入れに対する支援、絶景や美食をテーマとした観光誘客キャンペーンの展開などにも取り組みます。  さらに、「笑顔で暮らせるかがわ」の実現のため、県立学校のICT環境の整備や本県独自の私立高校入学金軽減補助制度の創設などによる教育環境の充実に加え、犬猫の譲渡推進、聖火リレー等の実施による東京オリンピック・パラリンピックの機運醸成などにも取り組んでまいります。  山積する諸課題に積極的に対応する中で、これまで県債発行の抑制に努めてきた結果、増加の一途をたどってきた県債全体の残高が令和二年度末には減少する見込みとなった一方で、減少を続けてきた臨時財政対策債を除く県債残高は今年度末には増加する見込みとなりました。  私といたしましては、次世代への責任の視点に立って、財政健全化との両立が果たせるよう意を用いつつ、新年度予算の効果的・効率的な執行に努め、最大の効果を上げるべく、県政の課題解決に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次は、新県立体育館についてであります。  新県立体育館の整備に当たりましては、建物の配置イメージ・規模、設計を行う上での配慮事項等の要件を定めた新香川県立体育館整備基本計画を策定し、この計画に沿って設計を進めており、これがPFI手法における業務要求水準書に相当するものと考えております。  設計業者の選定に当たっては、機能性とデザイン性を兼ね備えた魅力的な体育館とするため、WTOのルールを踏まえ、庁内での検討手続を経た上で、様々な公共施設等で採用されております技術提案書等に基づき設計者の創造性、技術力、経験等を審査するプロポーザル方式とするとともに、参加資格につきましては、新県立体育館が多目的に利用されることや建設地であるサンポート高松の立地条件等を勘案し、幅広い参加者からよりよい提案を募り、選考できるという点を重視して決定したものであります。  建設工事費につきましては、プロポーザル段階では百八十九億九千八百万円の見込みが示されておりましたものの、基本設計では、その大枠が固まるまでは総額の細かな積算は行っておりませんので、御指摘のような設計当初段階との比較は困難でありますが、コンストラクションマネジメント受託者が行った建設業者への聴き取り等の結果、目標額を上回るおそれがあったことから、屋根の構造や材料の合理化等を行い、基本設計として百八十一億八千六百万円の建設工事費を見込んでいるところであります。  設備工事費の割合につきましては、他のアリーナとの比較は行っておりませんが、コンストラクションマネジメント受託者からも、基本設計における設備工事の内容としては妥当なものと報告を受けております。  施設・設備面での機能性等の確保につきましては、全国の類似施設調査を行うとともに、スポーツやイベント関係者からも御意見を伺い、様々なイベントを開催するために必要な仕様を設計内容に反映させております。これまでも御説明申し上げておりますが、例えば、メーンアリーナにおいては、様々なイベントに対応するとともに、搬入も容易となるよう十一トン車が通行できるコンクリート床とし、また、天井のつりポイントまでの高さをステージ上で床から二十一メートル、天井荷重はステージ上で五十トンを確保するとともに、アリーナ上部全面に三メートルピッチでつり点を配置し、それぞれのつり点で作業ができるようキャットウオークも配置しているなど、競争力を備えた施設になるものと考えております。  新県立体育館の特徴といたしましては、アリーナ面と一体感があり、県民の皆様に開かれた空間として様々な利用ができる交流エリアを設けておりますが、空調設備につきましては、大空間での効率的運用が可能な居住域空調を取り入れるとともに、主催者や選手と観客との動線を分離するなどセキュリティー面にも配慮する一方、コンサート時等における騒音対策につきましては、適切な防音材を配置し、アリーナの発生音を敷地境界において環境基準内に抑えることはもちろん、住宅が隣接した西側については、より厳しい住宅地の基準を充足することとしており、さらに周辺への影響をより低減させるため、ステージの配置はメーンアリーナ西側を主たるものと想定しております。これにより、アリーナ入り口付近にステージが配置されることになりますが、ステージ裏への視線を遮る工夫もしており、コンサート主催者にも御意見を伺い、運営上支障がないことを確認しております。  可動席につきましては、最近の他の施設でも採用されており、イベントに合わせて任意の場所に配置でき、柔軟な使用が可能となる移動式可動席の保管場所を設けるとともに、多目的に使用されるメーンアリーナは基本計画どおりコンクリート床とし、スポーツ時も利用できるようコンクリート床の上に専用の木製床を設置することとしております。なお、通常の県大会などで使用することとなるサブアリーナは木製床としております。  会議室、控室等については、類似施設と同等もしくはそれ以上の約千四百平方メートルを確保することとしております。また、大会時の選手のウオーミングアップにつきましては、サブアリーナや武道施設等を利用することで対応可能と考えております。  そのほか、設備面につきまして、適切な空調方式の組み合わせや効率的な中央熱源と個別熱源を採用することとしており、新県立体育館が利用者から選ばれる施設となるよう、機能性の確保や設営時の労力の低減、さらには維持管理費の抑制に努めており、今後、実施設計を進める中で、施設のランニングコストを算出してまいります。  また、管理運営方法の整理や収支の試算等を行って昨年六月に御報告した管理運営方法の調査結果も踏まえ、適切な運営主体や県民の皆様が利用しやすい料金設定等について検討を進めてまいります。  私といたしましては、今回の基本設計は、新香川県立体育館整備基本計画に定める機能や建設工事費の実現、類似施設との競争力の確保など、必要な整理はなされていると考えており、この基本設計を基に進めていく実施設計につきましては、その進捗状況について県議会に御報告するとともに、引き続き各方面の御意見も承りながら、機能性や利便性の確保、また、工事費の遵守などについて十分意を用いた設計を進め、県民の皆様の待ち望む新県立体育館が、利用しやすく魅力ある施設となるよう全力で取り組んでまいりますので、御理解をお願い申し上げます。  次は、新型コロナウイルス感染症への対応についてであります。  新型コロナウイルス感染症につきましては、昨年十二月に中国の武漢市で発生し、日本を含めて世界各国で広がりを見せておりますが、感染の蔓延を防止するとともに、県民の皆様の不安を少しでも軽減できるよう、国と連携し、必要な対策を迅速に講じていくことが重要であると考えております。  これまでに国におきましては、新型コロナウイルスによる感染症を感染症法上の指定感染症と規定する旨の政令を定め、今月一日から施行するとともに、水際対策として、高松空港におきましては、日本への入国前十四日以内に中国の感染が広がっている地域での滞在歴がある外国人などについて、原則入国拒否の措置を取るなど様々な対策が行われております。  また、県におきましては、先月二十四日に庁内の関係各課の課長で構成する新型コロナウイルスに関する庁内連絡会議を開催し、新型コロナウイルス感染症の現状や国における最新の情報などについて情報共有を図るとともに、二十九日には、県環境保健研究センターにおいてPCR検査が行える体制を整えたほか、今月三日には県内五カ所の保健所において、新型コロナウイルス感染症の疑いのある方の電話相談を受けるための窓口である帰国者・接触者相談センターを設置し、土曜日や日曜日を含め二十四時間体制で対応しているところであります。  現時点では、本県においては新型コロナウイルス感染症の患者は発生しておりませんが、疑いのある患者が発生した場合には、保健所においてその状況を確認の上、帰国者・接触者外来への受診を調整するとともに、県環境保健研究センターでPCR検査を行い、陽性が判明した場合には濃厚接触者の健康観察を行うなど、感染の拡大防止に取り組むこととしております。  こうした業務が迅速かつ円滑に行えるよう、その手順の確認を進めることや最新の情報の共有を図ることに加え、県民生活や県内の観光等への影響が出ていることも踏まえ、今月十日には庁内連絡会議を拡大し、新型コロナウイルス対策検討会議を立ち上げ、必要な対策を検討しているところであります。  私といたしましては、今後とも国や保健所、医療機関等の関係機関と緊密に連携し、新型コロナウイルスの感染の拡大防止に取り組むとともに、県民生活をはじめ、県内の観光や産業など幅広い分野における具体的な影響と必要な対策について検討を行い、県民の皆様の安全・安心が確保できるよう万全を期してまいります。  次は、将来を見据えた県政運営についてであります。  議員御指摘のとおり、本県は少子高齢化生産年齢人口の減少に伴う人手不足の顕在化など多くの課題に直面しており、課題解決のためには、AI、IoTなどの技術革新の成果をあらゆる産業や社会生活に取り入れていくことが必要であると考えております。  そのため、来年度から情報通信関連産業の育成・誘致に重点的に取り組み、情報通信関連分野の人材育成等を推進するほか、今春から本格運用が始まる、超高速・低遅延で多数同時接続が可能となる5Gの利活用の推進に向け、調査・普及啓発等を行うなど、新たな取組を進めてまいりたいと考えております。  また、来年度には、新・せとうち田園都市創造計画の計画期間が終了いたしますことから、今後、取り組むべき施策や目標を取りまとめた次期総合計画を策定したいと考えております。これまでも水道広域化や瀬戸内国際芸術祭の開催のほか、希少糖やオリーブなど本県独自の地域資源を活用した様々な施策を展開してきたところでありますが、次期計画の策定に当たりましては、いま一度、本県の強みや魅力を見詰め直すとともに、時代の変化を捉え、本県の将来にとって必要と考える新しい取組にもチャレンジする香川らしい計画となるよう、県民の皆様の声を十分に踏まえるとともに、県内各市町や関係団体とも協議しながら検討してまいりたいと考えております。  また、人口減少が進む中、今後も県及び各市町が、住民サービスを効果的・効率的に提供することができるよう、コンパクトな県土を生かし、国の動向によらず、自らのアイデアで自らの未来を切り開く視点を持って、県と市町、市町間の柔軟な連携に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。    (発言する者あり) ◯知事(浜田恵造君)(続き)私といたしましては、時代の変化の中にあっても、地域本位、現場主義を徹底し、県民の皆様の声を十分に踏まえながら、本県の将来の発展にとって必要な施策を積極的に展開し、令和の時代にふさわしい県政運営を行ってまいりたいと考えております。  次は、香川用水施設の老朽化対策についてであります。
     香川用水は、県民生活や産業振興を支える重要な施設でありますが、昭和五十年の本格通水から相当な年数が経過する中、施設の老朽化が顕著になっております。このため、農業用水専用区間においては、現在実施中の国営かんがい排水事業香川用水二期地区など、順次、国営事業の実施により老朽化への対応が図られ、また、共用区間においては、平成十一年度から十七年度にかけて香川用水施設緊急改築事業による大規模な改修が行われております。しかしながら、共用区間のうち、西讃地域に用水を供給している高瀬支線の区間は、これまでの大規模な改修事業の対象となっておらず、近年、経年劣化による漏水事故が頻発しており、早急な対策が必要となっております。  こうした中、県議会ともども早期の事業化を国に要望していたところ、令和二年度の政府予算案において、香川用水施設緊急対策事業として新規の採択がなされたところであります。    (発言する者あり) ◯知事(浜田恵造君)(続き)本事業は、独立行政法人水資源機構が事業主体となり、漏水事故が相次ぐ高瀬支線約四キロメートルの改修工事を行うほか、耐震性能が不足している取水工や開水路ののり面など、幹線水路上の数か所の補強工事を併せて行うもので、約三十八億円の事業費が見込まれております。今後、国による事業実施計画の認可などの手続を経て、来年度から事業に着手し、令和六年度までの五年間で事業を完了させる予定とされております。  また、お尋ねの事業実施に伴う農家負担につきましては、香川用水の広域的な重要性や近年の厳しい農業情勢、これまでの共用区間での整備に係る負担割合などを踏まえ、県が負担することとしまして、事業の円滑な推進を図ってまいりたいと考えております。  次は、情報通信関連産業の育成・誘致についてであります。  人口の社会減が続く中、転出超過が拡大している若者の大都市圏への流出に歯止めをかけ、県内定着を図るため、来年度から情報通信交流館e─とぴあ・かがわを拠点として情報通信関連産業の育成・誘致に重点的に取り組みたいと考えております。  具体的には、まず、情報通信関連分野の人材を育成するため、今年度から実施しているかがわAIゼミナールに加え、アプリ等の開発に活用できるプログラミングスキルを短期集中的に学ぶ講座や、IoTを活用した課題解決策の企画立案から試作品の開発までを一貫して行う講座などを実施してまいります。また、拠点施設には、こうした講座で学んだ人材を含めた情報通信関連分野の人材はもとより、情報通信技術を活用したいと考えている人など多様な人材による新たな商品やサービスの創出を支援するための場として、共同オフィススペース、いわゆるコワーキングスペースを設けるとともに、3Dプリンター等の創作機器を共同利用することができる創作工房やテレビ会議システム、5G通信を利用できる環境を整備してまいります。  さらに、生み出されたアイデアを起業・第二創業等の促進につなげられるよう、県内外の情報通信関連分野等で活躍されている有識者等によりアドバイザリーチームを組成し、個別の技術指導などを実施するとともに、起業・創業支援等の実績のある専任のコーディネーターを配置し、各種の相談やビジネスマッチングの支援を実施してまいります。  加えて、企業誘致助成金の対象としている情報処理関連施設に、情報検索サービス業などのインターネット付随サービス業や、ウェブサイトのデザイン制作などのクリエーティブ産業を対象に加えるとともに、設備投資に対する助成率を引き上げるほか、雇用要件を緩和するなど、助成制度の拡充を行い、県内への企業立地を促進してまいります。  私といたしましては、政策課内に情報通信産業振興室を設け、組織体制を整備した上で、先端技術の開発等の動向も十分に踏まえながら、こうした情報通信関連産業の育成・誘致に向けた施策を総合的かつ集中的に展開することにより、若者に魅力のある働く場を創出するとともに、本県経済の活性化にもつなげていけるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次は、大規模災害に備えた体制づくりについてであります。  議員御指摘のとおり、大規模災害発生時の被害を最小限に抑えるためには、県民の皆様に適切な避難行動を取っていただくための情報伝達体制の充実や、被災状況など必要な情報を迅速に収集し、的確な災害応急対応を行うための体制整備により一層取り組む必要があると考えております。  このため、本年四月から運用を開始する新たな防災情報システムで導入する防災アプリにおいて、スマートフォンの持つ位置情報を活用し、各市町からの避難情報や緊急情報がプッシュ通知される機能、最寄りの避難所の検索やルート案内、登録した家族等の安否確認の機能などを盛り込んだところであり、来年度は適切な避難行動のための情報ツールとして県民の皆様に広く活用していただけるよう、積極的な広報に努めてまいります。  また、発災時には迅速な情報収集を行う必要があることから、県と各市町や防災関係機関、ライフライン事業者との間で災害時連絡員を派遣する体制を整備するとともに、新たな防災情報システムにおいて、被災状況等の情報を時系列で市町と共有する機能、いわゆるクロノロジー機能を取り入れ、県と各市町との連携体制の強化を図ることとしております。  さらに、新たな防災情報システムは、市町の避難発令を支援する機能や避難所管理機能、罹災証明書発行業務を迅速に処理する被災者支援機能など、各市町の災害応急対応を支援する様々な機能を備えており、こうした機能を十分に活用できるよう、各市町職員も含めた実践的訓練を実施し、県全体として災害対応実践力の強化を図ってまいります。  私といたしましては、今後とも各市町や防災関係機関と連携して、発災時に県民の皆様に正確な情報を迅速に提供するとともに、的確な災害応急対応が行える体制づくりに努め、災害に強い香川づくりに積極的に取り組んでまいります。  次に、森林行政の推進についてであります。  森林は県土の保全や水源の涵養など多様な公益的機能を有しており、これらの機能を高度に発揮させるためには、治山・造林事業を計画的に実施するとともに、県産木材の供給と利用をより一層促進し、森林資源の循環利用を進めることにより、森林整備を推進していくことが重要と考えております。  このため、山地災害危険地区を重点として、治山ダム等の整備や植栽、保育等の治山事業を実施し、山地災害の未然防止を図るとともに、森林所有者等が行う間伐等に助成する造林事業を計画的に実施するなど、森林の持つ公益的機能の維持向上に努めてまいります。  また、本県ではヒノキなどの人工林が利用期を迎えているため、森林環境譲与税を活用し、間伐や木材搬出等を幅広く支援するとともに、原木のストックヤードの整備や県産認証木材製品の流通等を支援するなど、県産木材の安定供給を推進するほか、公共施設での利用拡大や、個人住宅、民間施設における利用に対する支援、木育の推進など、県産木材の利用促進に努めてまいります。  さらに、本県の約八割を占める天然林等では、拡大する放置竹林の広葉樹等への樹種転換を初め、竹材や広葉樹材の利用促進など、森林整備から資源の利活用までの総合的な取組を進めてまいります。  来年度、譲与額が増額される森林環境譲与税については、引き続き、森林経営管理法に基づく新たな森林管理システムを推進するため、市町の森林・林業行政をサポートする人材や、森林整備の担い手である森林組合等の技術者の育成を行うとともに、増額分を活用して高性能林業機械を導入する森林組合等を支援することとしております。  私といたしましては、県民の皆様の安全で安心な暮らしと快適な生活環境を創造し、森林を豊かで健全な姿で次代に引き継ぐため、引き続き、林業振興施策や里山の再生整備を初めとした森林政策を総合的かつ積極的に展開してまいりたいと考えております。  次は、「子育て県かがわ」の実現についてであります。  少子化の流れを止め、長期的には出生率の向上等により人口増への転換を図るためには、「子育て県かがわ」の実現が重要であると考えており、今後より一層、結婚から妊娠・出産を経て子育てまでの切れ目ない支援を総合的に推進するため、今定例会に第二期香川県健やか子ども支援計画の策定について御提案しているところであります。  この計画に基づき、児童虐待対策につきましては、児童相談所の児童福祉司や児童心理司を増員し、一層の体制強化を図るとともに、一時保護を必要とする児童が増加していることを踏まえ、中讃地域に一時保護専用施設を設置する社会福祉法人に対し、県単独で運営費を補助するなど、一時保護の受皿の確保と一時保護した児童への支援の充実を図ってまいります。  保育所等の待機児童の解消に向けましては、全市町が参加する協議会を設け、各市町との連携強化を図るとともに、保育の受皿確保につきましては、本年四月には、県内で新たに認可保育施設が五施設開所する予定となっており、引き続き、保育の受皿の整備に取り組む市町を支援してまいります。  保育士人材の確保につきましては、来年度から保育学生に対する修学資金の貸付対象に、県外養成施設に在学する県内出身者を加えるとともに、幼稚園教諭の保育士資格取得を促進するため、県内養成施設がそのための講座を開設することなどを支援します。  また、御指摘のとおり、保育所等を利用する子供の家庭のみならず、在宅で子育てをしている家庭に対する支援も重要であると認識しており、親子の交流や子育て相談、情報提供等を行う地域子育て支援拠点事業や、保育所等での一時預かり事業などを支援しているところであり、引き続き、各市町と連携して、これらの事業を充実させてまいります。  さらに、県内の子育て環境の一層の充実を図るためには、各市町と連携して、少子化対策や子ども・子育て支援を推進していく必要があることから、各市町が来年度から三年間、地域の実情、ニーズに応じた、創意工夫を凝らした事業を計画的に展開できるよう、新・かがわ健やか子ども基金事業を新たに実施し、各市町が基金を造成するための原資として約三億円を交付したいと考えており、この基金事業により、在宅で子育てを行う家庭に対する支援も含め、各市町の取組を支援してまいります。  私といたしましては、こうした施策を総合的に推進し、次代を担う子供たちを安心して生み、健やかに育てることができる「子育て県かがわ」の実現を目指して、全力で取り組んでまいります。  次は、オリーブオイルのブランド力の強化についてであります。  オリーブオイルの化学分析に関するIOC(インターナショナル・オリーブ・カウンシル)の認定の取得につきましては、これまで長年にわたり発酵食品研究所が中心となって県産オリーブオイルの化学分析を担ってきたことから、来年度から発酵食品研究所において専用の分析室を確保するための施設の改修や、分析に必要な機器の整備を行うとともに、管理体制の構築やマニュアルの作成などを進め、令和四年度の認定取得を目指したいと考えており、これにより、官能評価と化学分析の双方で、的確な分析とその結果について助言できる体制を県内で構築し、県産オリーブオイルのより一層の品質向上に積極的に取り組んでまいります。  また、小豆オリーブ研究所に設置したオリーブオイル官能評価パネルにつきましては、昨年十一月、IOC公式パネルとしての継続認定がなされたところであります。来年度は、本県官能評価パネルの能力を一層向上させるため、IOC派遣講師による研修や、オリーブオイル製造事業者のスキルアップに向け、海外技術者による採油技術研修に取り組み、本県オリーブオイルの一層の高品質化を図るとともに、本県が全国に先駆けて育成したオリーブ新品種の香オリ三号及び五号の苗木供給を開始し、他県産オリーブオイルとの差別化を積極的に進めてまいります。さらに、IOC公式パネルが評価した本県産オリーブオイルが高品質であることを積極的にPRするとともに、国際見本市への出展や首都圏でのフェアの開催などによる情報発信に努めてまいります。  私といたしましては、県産オリーブオイルの一層の高品質化と効果的な情報発信によるブランド力の一層の強化に積極的に取り組んでまいります。  最後は、地域高規格道路・高松環状道路の整備についてであります。  地域高規格道路を国の直轄事業として新規事業化する場合は、まず、公共事業の効率性及びその実施過程の透明性の一層の向上を図るため、国において地域の課題や達成すべき目標、地域の意見等を踏まえ、複数案の比較・評価を行うとともに、事業の必要性及び事業内容の妥当性を検証する計画段階評価を実施する必要があるとされています。その後、県において、都市計画決定手続や環境影響評価を行った後、国において費用対効果分析を含む総合的な評価を行う新規事業採択時評価が行われ、地域高規格道路の整備区間の指定を受けることとなります。  議員御指摘の高松環状道路の檀紙町付近からサンポート高松付近までの区間については、調査区間として過去から国において調査が行われてきたところであり、サンポート高松から高松空港へのアクセス向上による時間短縮効果や定時性の確保を初め、高松市中心部の幹線道路における渋滞緩和や災害時ネットワークの確保等に有効かつ重要な区間であることから、高松環状道路の早期事業化は物流の効率化や観光振興、交通安全、防災・減災対策のために必要であると考えております。  このため、当該区間の整備については、国と連携を図りながら整備方針について検討してきたところでありますが、地元高松市からの要望もあり、その必要性を踏まえ、国に対し直轄事業として来年度から計画段階評価を実施するよう要望したいと考えております。  また、議員御指摘のサンポート高松付近以東の高松環状道路の整備に当たって、関係する琴電連続立体交差事業については、事業中止から約十年が経過していることから、県としても、その都市計画のあり方に関する検討が必要であると考えており、今回の高松市からの要望も踏まえ、来年度から検討委員会を設置して、高松市とともに高松環状道路の整備効果を見極めながら、当該都市計画の存廃も視野に、そのあり方について検討を開始したいと考えています。  私といたしましては、地域の実情や県民ニーズを十分踏まえながら、選択と集中を徹底し、県民の皆様にとって真に必要な社会資本整備を行い、安全・安心で活力ある住みよい県土づくりを進めてまいります。(降壇) ◯議長(大山一郎君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)自由民主党香川県政会代表黒島議員の新学習指導要領への対応についての御質問にお答えいたします。  子供たちが、これからの未来を切り開いていくためには、様々な社会の変化に受け身で対処するのではなく、主体的に判断しながら、他者とともに課題を解決していく力を育成することが不可欠であります。このため、新学習指導要領では、新たに「主体的・対話的で深い学び」の視点からの学習過程の改善が打ち出されました。これは、知識や技能の習得に加え、学んだことを活用し自分で考えさせたり、友達との意見交流の場を設けることで、子供たちが自らの力で解決できた達成感や充実感を味わうことができる授業展開を行うことであり、従来の一方向的な講義形式の授業から双方向型の授業への転換であります。  県教育委員会では、平成二十七年度から、こうした授業改善の視点などを示すリーフレット「アクティブ・ラーニングノススメinかがわ」を各学校に配付するとともに、五年間で延べ三十八校のモデル校で指導方法について実践研究を行い、その成果を香川の教育づくり発表会等において発信するなど、普及啓発に取り組んでまいりました。今年度の県学習状況調査においては、「普段の授業では、学級の友達との間で話し合う活動をよく行っていると思いますか」の質問に対して、肯定的な回答をした児童・生徒の割合が、四年前と比べて小学校では三・六ポイント、中学校では一五・四ポイント伸び、小・中学校ともに八七%程度となっており、授業の進め方の転換も図られてきたと考えております。  さらに来年度は、英語の教科化やプログラミング教育への対応に加え、新たに英語指導スキルアップ事業を実施するなど、教員の授業力を高める研修を充実させることで、授業が楽しい、面白いと感じる児童・生徒を増やしていくとともに、教育のICT化やキャリア教育などの新たな教育課題への対応にも着実に取り組んでまいります。  県教育委員会といたしましては、今後とも、変化の激しい時代に生きる子供たちが、自らの能力を発揮し、よりよい社会のつくり手となるよう、児童・生徒の多様な実態に応じた指導方法や体制を工夫し、個に応じた指導の充実を図ってまいります。(降壇) ◯議長(大山一郎君)岡部警察本部長。    (警察本部長岡部正勝君登壇) ◯警察本部長(岡部正勝君)自由民主党香川県政会黒島議員の警察官の能力向上についての御質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、犯罪情勢や社会構造が大きく変化する中で、高度化・多様化する治安情勢に的確に対処していくためには、個々の警察官の能力向上が重要であります。議員が例示されました児童虐待事件の発生を受け、県警察では、警察学校における専科教養に児童虐待事案対応専科を新設して実務能力の向上を図っているほか、児童相談所との情報共有・連携を図るための合同訓練を実施しております。  また、他県における交番襲撃事案を受けて、県警察では、一人勤務である駐在所員の現場対処能力向上のため、県下全駐在所において襲撃事案対処訓練を実施しているほか、凶悪犯罪に的確に対処できる精強な執行力を確保するため、従来からの柔剣道、逮捕術等の術科訓練に加え、実際の現場で発生する可能性の高い事案を想定した実戦的な訓練の充実強化を図っているところであります。  さらに、広域化・高度化するサイバー犯罪対策として、全職員のサイバー空間の脅威への対処能力を底上げするため、部内検定の取得促進を初め、教養・研修を体系的に行っているほか、激甚化する災害へ備えるため、自治体等関係機関と連携した避難誘導訓練、災害対策本部設置訓練など有事を想定した実戦的な訓練を行い、職員一人一人の能力向上を図っております。  県警察といたしましては、今後とも県民の期待と信頼に応える力強い警察を確立するため、現場重視の観点に立ち、治安における課題に柔軟に対応しながら、効果的な教養・訓練を推進し、警察力を最大限に発揮できる人材育成に努めてまいります。(降壇) ◯議長(大山一郎君)再質問の通告がありますので、発言を許可いたします。  黒島 啓君。    (黒島 啓君登壇、拍手) ◯黒島 啓君 議長からお許しを得ましたので、再質問をさせていただきたいと思います。  一点目は、参加資格の問題であります。  プロポーザルにおいては、経験、識見、知識、これが求められているというふうに書かれているのに、門戸を開くというだけで参加資格者が増えるという説明でありましたが、これによっていい建物ができる、いい施設ができるという優位性は一体何なのですかというのが私の質問であります。広げるだけならもう誰でも参加してくださいでいいじゃないですか。そうでしょう。一割にしなくても、〇・五割であろうともいいじゃないですか。そんな理屈ではないわけです。いいものをつくるためにどのような優位性があるのかということをはっきりと示していただかなければ、今後の入札やいろいろなことに対しての資格についても、やはり問題が出てくると思います。  二点目は、我々が一生懸命提言してきましたが、一切受け付けない。知事は、大統領以上の権限を持っているのです。人事権、予算の提案権・執行権。我々は予算とか、こういうことを知事に対して意見を言うしかないわけでありますが、それさえも「御理解を」という一点です。我々は我々の意見を聞いてくださいよということを申し上げているわけでありまして、御理解をと言われる答弁では全く納得がいきません。我々の提言を聞くのか、聞かないのか、御説明をお願いいたしたいと思います。(拍手、降壇) ◯議長(大山一郎君)再質問に対する理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)黒島議員の再質問にお答えいたします。  まず、設計業者の選定方法につきましては、県においてプロポーザル方式を採用する方針を定め、平成二十九年十一月議会でも御答弁を申し上げたところでありますが、参加資格要件については、総務部と教育委員会との間で原案を作成し、プロポーザルの評価委員にも御意見を伺った上で、最終的には平成三十年一月三十日の総務部の委託業務審査会において決定し、二月六日にプロポーザル手続の公告を行いました。  私といたしましては、このような要件設定によりまして、よりよい提案が多く得られたというふうに認識をしておるところであります。    (発言する者あり) ◯知事(浜田恵造君)(続き)次に、御提言との関係についてでございますが、私といたしましては、今回の基本設計を基に進めていく実施設計について、その進捗状況について議会に報告するとともに、引き続き各方面の御意見も承りながら、機能性・利便性の確保、また、工事費遵守などについて十分を意を用いた設計を進めまして、県民の皆様の待ち望む新県立体育館が、利用しやすく魅力ある施設となるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(大山一郎君)理事者の答弁は終わりました。  なお、申し上げます。  本議場内での事象について、特に問題がある場合においては、私のほうで指示をいたしますので、権限のない方の発言はお控えください。  暫時休憩いたします。                         午前十一時四十六分休憩                         午後 三時 十二分開議    ─────────────────────────────   出  席  議  員    大  山  一  郎 君    西  川  昭  吾 君    松  岡  里  佳 君    鏡  原  慎一郎  君    氏  家  孝  志 君    高  木  英  一 君    白  川  和  幸 君    岡  野  朱里子  君    秋  山  時  貞 君    斉  藤  勝  範 君    松  本  公  継 君    山  本  悟  史 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    新  田  耕  造 君    佐  伯  明  浩 君    松  原  哲  也 君    谷  久  浩  一 君    樫     昭  二 君    山  田  正  芳 君    香  川  芳  文 君    三  野  康  祐 君    森     裕  行 君    五所野尾  恭  一 君    花  崎  光  弘 君    十  河     直 君    高  城  宗  幸 君    有  福  哲  二 君    広  瀬  良  隆 君    辻  村     修 君    石  川     豊 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君    都  築  信  行 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君   欠  席  議  員
       綾  田  福  雄 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事   浜  田  恵  造 君           副  知  事   西  原  義  一 君           病院事業管理者   太  田  吉  夫 君           審  議  監   安  松  延  朗 君           政 策 部 長   大  山     智 君           総 務 部 長   東  田  晃  拓 君           環境森林部長    木  村  士  郎 君           健康福祉部長    安  藤  照  文 君           商工労働部長    浅  野  浩  司 君           交流推進部長    新  池  伸  司 君           農政水産部長    国  分  伸  二 君           土 木 部 長   片  山  秀  樹 君           知事公室長     淀  谷  圭三郎  君           危機管理総局長   土  岐  敦  史 君           文化芸術局長    佐  藤  今日子  君           子ども政策推進局長 小  川  秀  樹 君           会計管理者     宮  武  卓  朗 君           病 院 局 長   岡  内  浩  二 君           教  育  長   工  代  祐  司 君           公安委員会     川  東  祥  次 君           委  員  長           警察本部長     岡  部  正  勝 君           代表監査委員    三  谷  和  夫 君           監 査 委 員   亀  井  孝  行 君           事 務 局 長           人事委員会委員   平  尾  敏  彦 君           人事委員会     岡  田  総  一 君           事 務 局 長           労働委員会     山  本  浩  司 君           事 務 局 長           政策部次長     椋  田  那津希  君    ───────────────────────────── ◯議長(大山一郎君)再開いたします。 ◯氏家孝志君 議長、動議。 ◯議長(大山一郎君)何の動議でしょうか。その場で簡潔に御発言願います。 ◯氏家孝志君 動議の内容について説明をさせていただきます。  午前中の我が会派黒島会長からの代表質問の中で、今後の実施設計の段階において我々県議会の提言を聞くのか聞かないのかとの再質問に対して、知事は、各方面の御意見を賜りながら設計を進めていきたいとの答弁がありました。しかし、議会に対してという答弁はなく、これは県民を代表する本議会の軽視にほかならないものと考えております。この点に対して、どのような意図を持って発言されたのか、お伺いいたしたいと考え、動議を提出させていただきます。議員各位におかれましては、御賛同のほど、よろしくお願いいたします。    (「賛成」と発言する者あり) ◯議長(大山一郎君)ただいま氏家孝志君から知事の発言を求めたいとの動議が提出され、所定の賛成者がありますので、動議は成立いたしました。  よって、本動議を議題とし、直ちに起立により採決いたします。  本動議に賛成の諸君の御起立を求めます。    (賛成者起立) ◯議長(大山一郎君)起立多数、よって本動議は、可決されました。    ───────────────────────────── ◯議長(大山一郎君)知事の発言を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)発言をさせていただきます。  動議で御指摘のあった点につきましては、もとより議会軽視の意図をもって答弁したものではございません。私といたしましては、今回の基本設計を基に進めていく実施設計について、その進捗状況について県議会に御報告するとともに、引き続き、県議会をはじめ各方面の御意見を承りながら、機能性、利便性の確保、また、工事費遵守などについて十分意を用いた設計を進めまして、県民の皆様の待ち望む新県立体育館が、利用しやすく魅力ある施設となるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。(降壇)    ───────────────────────────── ◯議長(大山一郎君)本日の会議時間を延長いたします。  休憩前に引き続き、代表による質疑、質問を続行いたします。  リベラル香川代表山本悟史君。    (山本悟史君登壇、拍手) ◯山本悟史君 それでは、気を取り直して代表質問に入ります。  きょうは二〇二〇年、令和二年二月二十日、二月定例会、遅くなりましたが本日二番目の質問と、ゼロと二が並びますが、答弁は一番の内容をいただきますよう、知事、警察本部長、教育長にそれぞれお願いいたしまして、リベラル香川を代表して質問に入ります。  最初に、二〇二〇年度、令和二年度当初予算案等について質問をいたします。  今定例会に提案されました来年度一般会計予算案は四千七百二十億円であり、今年度当初予算からは一・〇%、四十九億円の伸びとなっています。その予算案の概要を伺うと、規模こそ三年連続の増加となりましたが、一九七一年度、昭和四十六年度以降、五十年近くも増加の一途をたどってきた県債全体の残高は、二〇二〇年度、令和二年度末には減少できる見込みとされています。私どもは、次世代への責任の観点から、持続可能な財政運営、そして、そのために借金を増やさない財政運営を県政の最重要課題に位置づけ、臨時財政対策債を含む県債全体の残高の減少を目指すことを一貫して申し上げてきました。二〇一五年度、平成二十七年度に策定した財政運営指針では、県債全体の残高減少目標が盛り込まれましたが、地方財政制度の動向や国に対して要望・主張していくべき事柄、また、地方一般財源総額の分析を踏まえた中長期的かつ計画的な財政運営のあり方などをめぐって、定例会ごとに知事に意見を述べ、持続可能な財政運営の実現について議論を重ねてまいりました。そうした経緯を経て、地方財政を取り巻く状況が一段と厳しくなる中で多くの困難があったと思いますが、このたび財政運営指針の期間内で知事が約束を果たす姿勢を示されたことに敬意を表します。  このことは一つの節目ではありますが、一方で、本県の財政が引き続き厳しい状況であるとの私どもの認識が変わるものではありません。昨年十一月に見直した財政運営指針においては、来年度から五年間で千百十七億円もの財源不足が見込まれ、財源対策用基金等を全て取り崩したとしても、なお百八十二億円の財源不足が生じるとのことでした。実際に来年度予算案でも財源対策用基金の取り崩しが百十五億円必要となり、来年度末の残高見込みは百十六億円と、百億円を切る目前となっています。  また、今定例会には、防災・減災対策を含む国の経済対策を受けた補正予算議案が提案され、開会日に先議・可決されたところでありますが、その内容は総額七十三億円余、財源としては財政調整基金の取り崩しが二億円弱、県債発行が三十二億円余りであり、今後の財政運営に与える影響も少なからずあるのではないでしょうか。  そこで、知事に質問いたします。  まず、このたびの当初予算及び補正予算の編成に当たっては、財政運営指針に沿って、どのように財政規律の確保を図ったのでしょうか。  次に、二〇二〇年度、令和二年度は、今定例会に提案されている第二期かがわ創生総合戦略の初年度であることから、各種対策の前進と成果の発現が求められる段階になり、また、本県の財政運営の基本指針である新・せとうち田園都市創造計画の計画最終年度でもあることから、当該計画で掲げる各種の施策の総仕上げを行わなければなりません。今定例会初日に知事からは、限られた財源の中で、「災害に強い香川づくり」、「人口減少問題の克服と地域活力の向上」に取り組もうとする提案理由の一端を聞きましたが、改めて来年度予算ではどのような施策に重点を置き、推進しようとしているのか、また、私どもが求める信頼や共生、安心な社会づくりはどのように進めていくつもりなのか、お答えください。  二点目、県内中小企業の働き方改革の進め方について質問をいたします。  先月末日、香川労働局による本県の雇用情勢が公表されました。昨年十二月の有効求人倍率は一・八二で、前月差プラス〇・〇五ポイントの全国第八位です。相変わらず全国的にも高い数値で、香川労働局の雇用情勢判断においても「改善が進んでいる」とされています。しかし、職業別の内訳を見ると、一番求人倍率が高いのは「建設・採掘」で六・一三倍、次が「サービス」で四・〇五倍、さらに「輸送・機械運転」、「専門・技術」、「生産工程」、「販売」、「運搬・清掃・包装等」と続き、最も低いのが「事務的職」で〇・六七倍。つまりホワイトカラーは募集が少なく、つまり人が足りていて、建設業などブルーカラーの職種は慢性的に人手不足が続いているという状態です。企業に十分な人材が確保できていない場合、仕事の需要はあっても仕事を受けられないという話も聞きますし、最終的に会社を畳んだり倒産したりする場合もあります。なぜ中小企業に人材が集まらないのか冷静に検証しなければ、状況は変わりません。  昨年、県内の大学生らと就職の話をする機会がありました。そこで言われたのが、都会の企業との賃金格差です。ただ、この部分はいかんともしがたい部分でもあります。賃金は高くなくても地方は生活しやすいといっても、それだけで地元に残ってくれるわけではありません。また、地元であっても名前も聞いたことのない企業だと、どんな働き方をさせられるのかわからない、それなら都会で好きな仕事を探したほうがいいだろうと考える学生、そしてそれを後押しする保護者も少なくありません。  私どもは何度も指摘しておりますが、有為な人材の雇用、そして定着、育成と着実につなげていくためには、本県の企業、特に中小企業の労働環境を若者に選ばれる内容に思い切って変えていくしかないと考えています。昨年四月からは働き方改革関連法が順次施行されています。年間有給休暇五日間の義務化は、中小企業も既に対象になっています。時間外労働の上限規制も、中小企業はことしの四月から対象となり、同様に同一労働同一賃金も来年四月から中小企業も対象となります。大企業や公務職場は当然として、県内中小企業もこうした改革に積極的に対応してもらわなければなりません。  しかし、自力で対応しようとしても限界があることも事実です。やる気のない企業は魅力のない企業として市場から淘汰されてしまう可能性もありますが、頑張ろうとしている地元の中小企業に対しては、行政ができる限りの支援をすべきであるということは言うまでもありません。  本県も、かがわ働き方改革推進宣言制度、かがわ働き方改革推進大賞制度、かがわ働き方改革環境づくり助成金など、働き方改革を推進する各種事業を展開しています。その一方で、残念ながら、そうした働き方改革への取り組みをうたう会社に就職したけれど、実際は違っていたのでその会社を辞めたという声を聞かされたこともあります。働き方改革が看板倒れにならないように、行政は常に企業の取組のより一層の促進に努める必要もありますし、もっともっと強力に、さらに踏み込んだ各種施策を展開していく必要もあるのではないでしょうか。  そこで、知事に質問いたします。  本県の経済活動を活性化していくためには、中身の伴った、本当の意味で労働者が働きやすい企業を増やしていかなければなりません。本県は、来年度以降、県内中小企業に対しどのような施策を展開し、働き方改革を実際的に進めようとしているのか、お答えください。  三点目、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを目指す本県出身選手への支援と県内の盛り上げについて質問いたします。  オリンピックの聖火リレーの県内コースが公表されました。四月十八日は宇多津町、丸亀市、まんのう町、直島町、琴平町、善通寺市、多度津町、三豊市、観音寺市の順。翌十九日は、坂出市、綾川町、土庄町、小豆島町、東かがわ市、さぬき市、三木町、高松市の順。聖火ランナー一人当たりの走行距離は約二百メートルで、ランナーは約百八十人とのこと。また、パラリンピックについても、八月十三日と十四日に高松市、丸亀市、坂出市、さぬき市、東かがわ市、三豊市、三木町、宇多津町、綾川町の九市町で、それぞれ独自の方法で火がおこされ、お盆の十五日にサンポート高松で集火式が開催され、十五日から十六日にかけて高松市、小豆島町、三豊市、多度津町を回り、十六日夕方には県庁で東京パラリンピックの組織委員会に渡されるということです。本県ではオリンピック・パラリンピックともに競技が行われないため、こうした聖火リレーは、県民が五十六年ぶりの自国開催を直接感じられる契機となります。  もう一点、県内の雰囲気を盛り上げる要素は、本県にゆかりのある選手への応援です。本県出身の選手はもちろん、本県でキャンプなどを行う他国の選手も含めて、感情移入がしやすい分、応援にも自然と力が入ります。そうした意味において、金メダルが期待されているバドミントン男子の桃田賢斗選手の年明け早々の異国での交通事故はショックでした。桃田選手は、本県出身選手の中では、NBAで活躍する男子バスケットボールの渡邊雄太選手とともにオリンピック出場が確実視されています。今月初旬にトレーニングを再開したものの、右眼窩底骨折が判明し、メダル獲得の期待の前に、まずはけがが早く治ることを祈るばかりです。  このほかにも、本県出身のオリンピック・パラリンピック出場の期待がかかる選手は十人以上います。四年前のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックへの出場本県出身者は男子棒高跳びの荻田大樹選手だけだったことを考えると、感慨深いものがあります。また、新体操でオリンピック出場を目指す喜田純鈴選手は、留学先のロシアから香川に戻り、地元クラブ時代からのコーチの下で調整を続けています。私も何度か練習を見せてもらったことがあるだけに、最後の一枠を何とか勝ち取ってほしいと願っています。  オリンピックの各種目ではこうした厳しい選考過程を経て、出場選手が確定するのは五月以降、場合によっては六月になるそうです。選手や関係者の負担にならないように配慮しながらも、これから出場を決めるまでの間の応援も、県内で盛り上げていく必要があるのではないでしょうか。  そこで、知事に質問いたします。  知事は、「みんなの県政THEかがわ」三月号の知事コラムの中で、「みんなでオリンピック・パラリンピックを盛り上げていきましょう。」と書かれています。私どもも、県内を盛り上げていくことは多方面にわたって県内によい影響をもたらすと考えています。聖火リレーの実施はまたとない好機です。さらに言えば、もともと今回のオリンピック・パラリンピックは、福島を初めとする東日本大震災の被災地を忘れずに支援していこうという側面が含まれていますから、そうした部分にも、きちんと思いがはせられるような盛り上げ方が理想だと考えています。様々な人が様々な立場から様々な思いを持つ東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックですが、本番に向け、本県はどのように地元出身の選手に対する支援を行い、また、県内を盛り上げようとしているのか、お答えください。  四点目、地域交通の連携と利用促進について質問いたします。  昨年四月、統一地方選挙が行われました。ここにいる諸先輩、同輩の皆さんも、自らの選挙の後、ゆかりのある候補の応援に行ったのではないかと思います。私がそのとき多くの人から聞いたのが、移動の自由ならぬ不自由の問題でした。それは、「高齢者による他人を巻き込んだ自動車事故の多発、そんなニュースを見るたびに、自分が加害者にならないうちに自動車を運転するのをやめなければならないと思う。しかし、自動車がないとそもそも今の暮らしが成り立たない。」という訴えでした。これは、大都会以外の地方が抱える共通の問題でもあります。AIや自動運転技術の進化に期待することも否定はしませんが、少子高齢化が進む中で地域を存続させていくという視点からすると、自動車だけではなく、公共交通を含めての総合的な交通体系の維持・確保が必須です。  こうした全国の状況を受け、国土省は一昨年十一月から地域交通フォローアップ・イノベーション検討会を設け、有識者や交通事業者などによる議論を重ね、昨年六月には提言をまとめています。そこでは、「あらゆる地域であらゆる人々が、自らの運転等によるだけではなく、移動ニーズに対応した移動サービスを享受できる社会」の実現のため、安全・安心の確保を大前提としつつ、潜在力も含めた地域力の発揮により、真に持続可能で最適な利便性の高い生活交通等地域交通の維持・確保を図るとされています。そして、見直しの視点として、交通事業者、地方自治体、商工・観光関係者、大学等幅広い関係者相互及び交通、観光、商業、医療、教育等幅広い分野相互における連携・協働の強化がうたわれています。言い換えると、地域総出でこの問題を考えていくということにほかなりません。  この提言の中でも取り上げられていますが、最近注目を浴びているのがモビリティー・アズ・ア・サービス、通称MaaSと言われる概念です。MaaSとは、ある説明を借りると、バス、電車、タクシーからライドシェア、シェアサイクルといったあらゆる公共交通機関をITを用いてシームレスに結びつけ、人々が効率よくかつ便利に使えるようにするシステムとなります。分かりやすく言うと、スマートフォンのアプリで目的地までの経路や交通手段を調べるだけでなく、チケットの購入や決済まで一括で処理ができるというものです。具体的な例として、先進地のフィンランドでは、定額制で全ての交通手段が乗り放題というのもあるようです。実は本県においても、瀬戸内洋上都市ビジョン協議会が国土交通省に観光地型の先行モデル事業として認定されていますが、まだまだ実験段階といったところです。いずれにしろ、ありとあらゆる知恵を絞り、地域が生き残る方策を見つけねばなりません。  同じような視点から、先月末に香川県鉄道ネットワークあり方懇談会が開催され、鉄道と連携したコミュニティーバスの再編などの具体的な取り組みが示されたと聞いています。来月も引き続いて開催予定とのことで、利用促進方策を決定し、可能な取組内容から順次実践していくとも聞きました。私どもとしても、議論の進展と取組に大いに期待しているところです。  そこで、知事に質問いたします。  国会では、地域公共交通活性化再生法の見直しの検討も進むと聞いており、都道府県による広域的な取組が一層求められていく中で、地域交通を持続可能なものとしていくためには、みんなで守り育てるという考えが大事です。もっと言えば、県民に地域の公共交通を実際に利用してもらうようにならなければなりません。知事は、地域交通の連携と利用促進についてどのように考え、実践していこうとしているのか、お答えください。  五点目、食品ロス削減推進について質問いたします。  昨年十一月、地元コミュニティーセンターで開催された男性料理教室に参加しました。メーンは豚の生姜焼き。残念ながらオリーブ豚ではなかったのですが、参加者一同、お互いの腕前を褒め合いながら、楽しく料理を食べました。余談ですが、教えていただいた先生方からは、「男性も自分で料理できんと、独りになったとき苦労するんで」と的確な注意をいただいたことも申し添えておきます。そんなざっくばらんで楽しい料理教室だったわけですが、冒頭私たちが聞いたのは、これから作る料理の話ではなく、食べ残しをなくしてごみも減らそうというスマート・フードライフの話でした。説明用のチラシを見てみると、作成は廃棄物対策課。私が参加した料理教室は、食品ロスの問題を考えてもらおうという県の委託事業だったわけです。  最近、食品ロスに関して社会問題となったのが恵方巻です。二月三日の節分の日、その年の恵方を向いて巻きずしをかぶりつくという大阪発とも言われる慣習が徐々に広がり、今では全国で恒例行事となっています。しかし、恵方巻きの定着と併せて各店舗間の商戦が激しくなり、発生したのが大量の売れ残りです。節分翌日に置いていても売れないので、結局は捨てる店舗がほとんどです。こうした状況が年々問題視され、ついに昨年から農林水産省が業界団体に対し恵方巻きのロス削減プロジェクトに対する協力要請を行うまでに至っています。  他方、消費者側の問題もあります。忘年会、新年会の時期に問題となったのは、飲食店の予約の無断キャンセルです。予約人数が増えるほど食材の準備も必要で、それが予約時間になっても誰も来ないと、用意した食材も廃棄せざるを得ません。こうした無断キャンセルによる損害額は、経済産業省によると全国で年間二千億円になるという試算もあります。  ここで農林水産省の統計データを紹介します。二〇一六年度、平成二十八年度推計では、日本国内で一年間に食用として出回った食料の総量が八千八十八万トン。このうち食品関連事業者が出す食品廃棄物等が、事業系廃棄物と有価物で千九百七十万トン。このうち規格外品、返品、売れ残り、食べ残しなど可食部分と考えられるのが三百五十二万トン。同様に一般家庭から出す食品廃棄物は七百八十九万トンで、このうち食べ残し、過剰除去、直接廃棄など可食部分と考えられるのが二百九十一万トン。合計六百四十三万トンの食べ物が一年間で無駄に捨てられていると想定されています。なお、この推計には農家が廃棄する野菜等は含まれていないようです。県内では、高松市が昨年一月に調査を行っており、年間七千六百トンの食品ロスが家庭から発生していると推計されており、これは学校の二十五メートルプール二十杯分に当たる量になるそうです。  廃棄物対策課が作成したチラシの裏面で、スマート・フードライフ推進キャラクターの「たるる」がこう言っています。「未来のことを考えると、食品ロスは減らさなきゃいけないんだよ。環境、経済、社会を一体的に考え、「持続可能な発展を図らなきゃダメだ!」と、世界の各国が考えるようになり、国連で二〇三〇年に向けたSDGsという十七分野の目標が立てられたんだ。食品廃棄物、食品ロスの削減もこの目標に含まれているんだよ。」と。そのとおりだと私どもも考えています。  そこで、知事に質問いたします。  昨年十月には食品ロスの削減の推進に関する法律が施行され、第十二条では「都道府県は、基本方針を踏まえ、当該都道府県の区域内における食品ロスの削減の推進に関する計画を定めるよう努めなければならない。」とされています。  そこで、当該計画の策定に対する考えも含め、食品ロス削減推進に向けた本県のこれまでの実績と今後の取組についてお答えください。  六点目、新型コロナウイルス感染症対策について質問いたします。  中国湖北省にある武漢市衛生健康委員会が、二十七人が原因不明のウイルス性肺炎にかかり、うち七人が重症と発表したのは昨年の大みそかでした。年が明けた一月七日、初めての死亡者を確認。十四日、WHOが新型のコロナウイルスを検出。十六日、日本国内でも初めての感染者を確認。十九日には感染者数が百人を超え、二十二日には死亡者数も十人を超える。二十三日、武漢市内の交通機関が閉鎖。二十四日、日本国内で二例目の感染者を確認。二十五日、感染者数が千人を突破。二十六日には死亡者数も五十人を突破し、二十七日には中国政府は中国人の海外団体旅行を禁止。二十八日、死亡者数が百人を突破。日本国内でも人から人への感染が確認され、日本政府は新型肺炎を指定感染症に閣議決定。さらに、武漢市内の在留日本国民の帰還希望者に対してチャーター機での帰国を決定。三十日、日本でも感染者数が十人を超え、無症状病原体保有者も確認。三十一日、感染者数がSARS感染者数を上回り、WHOは緊急事態を宣言。二月一日、感染者数は一万人突破。日本国内でも感染者数が二十人を超え、政府は指定感染症の政令施行を前倒し実施。二日、死亡者数が三百人を突破。四日、感染者数が二万人を突破。五日、日本に寄港予定のクルーズ船内で感染者を確認。六日、死亡者数が五百人を突破。七日、感染者数が三万人突破。九日、死亡者数が八百人を超え、SARS死亡者数を超える。十日、日本国内でもクルーズ船の乗船者等を含めて感染者数が百人を突破。十一日、死亡者数が千人を突破。十二日、日本国内の感染者数が二百人を突破。十三日、日本国内で初の死亡者を確認。そして、昨日時点での全世界での感染者数は七万人を超え、死亡者数も二千人超。日本国内の感染者数は、同じく昨日時点での日本国内の感染者数ですが、クルーズ船の乗船者等も含めて七百人を超え、最新の情報を含めると、クルーズ船で新たに乗っていた方で二人がお亡くなりになったということで、死亡者数は三人ということに現時点でなっています。  以上、大ざっぱにこれまでの経緯をたどってみましたが、増え続ける感染者数と死亡者数の発表、また、飛沫感染と接触感染に加えてエアロゾル感染や無症状感染者、さらには感染経路の分からない感染者が次々と報告されるなど、新しい情報が報道されるたびに社会不安が蔓延していきます。ネット上の様々なデマや差別に加え、現実社会においても「中国人お断り」と張り紙を出した店もあります。一方で、ホテルやクルーズ船等で隔離されている人々に対してエールを送る人たちも大勢います。
     今、私たちに必要なことは、ただ怖がることではなく、正しく怖がることだと考えます。今回の新型コロナウイルスの広がりは確かに驚異ですが、そもそもインフルエンザで言えば、日本国内の年間感染者数は約一千万人で、年間死亡者は約一万人という推計もありますから、冷静に考えるとインフルエンザのほうが圧倒的かつ現実的な脅威です。ただ、今後、中国国内である程度状況が落ち着いてきたとしても日本国内で感染者が増えていく一方では、現在の社会不安は収まりません。さきに質問したように、四月にはオリンピックの聖火リレーもありますから、皆が冷静かつ効果的な対応をしていくためにも、本県の果たすべき役割は大きいと考えています。  そこで、知事に質問いたします。  新型コロナウイルス感染症に対する本県が受けた影響とこれまでの対応についてお答えください。  また、先週、政府は、予備費を活用して総額百五十三億円の緊急対策を行うことを閣議決定しました。これに応じて地方でも財源措置をどうするかという問題はありますが、検査体制の強化など幅広い対策が求められることになると思います。その点も含めて、今後の本県の方針についてもお答えください。  そして、仮に本県内で感染者が確認された場合、具体的にどのような対応になるのかも併せてお答えください。  七点目、種子条例の制定について質問いたします。  この問題は、私ども会派の議員が一般質問及び経済委員会で何度も質問をしているところですが、残念ながら前向きな答弁が返ってきたことがありません。そこで、今回は代表質問で取り上げることにしましたが、今度こそ私どもを納得させてもらうことを期待しております。  御存じのとおり、種子法は二〇一七年、平成二十九年三月に廃止されましたが、全国的に種子法に代わる条例が次々と制定されています。私どもが調べてみたところでは既に十五道県で条例化され、来年度にはさらに十県程度が条例化に踏み切り、全都道府県の半数以上で当該条例が制定される情勢です。このような流れになっている理由としては、私どもが言ってきたとおり、米、麦、大豆の主要作物の種子の生産と普及について、県へ義務づける根拠法を失ったことに対する将来的な民間参入への不安です。具体的には、種子の価格高騰や外資系企業の独占の懸念など、農業者や消費者からの声を受けて各地で条例化が進んだわけです。本県では、行政にそのような声は聞こえてこないのでしょうか。少なくとも私どもの耳には、多くの農業者や消費者からそうした不安の声が聞こえてまいります。  さて、本県の今までの答弁を検証すると、そのポイントは三つあると考えています。  一つ目、従来の種子法に規定されていた県の役割を要領に明記し、従来同様優良な種子の生産と供給が円滑に行われているので、直ちに条例の制定は考えていないという答弁。従来同様県が責任を持つのであれば、しっかり条例化してくださいと言わざるを得ません。その際、何のデメリットも考えつきませんし、農家が農業に安心して取り組めるというメリットがあることは言うまでもありません。  二つ目、条例化しているところは種子を県外に販売している県が多く、本県と事情が違うという答弁。確かに富山県の条例は、県外流通を意識した種子計画や審査証明書の交付など、その部分での条例化の意義が大きいものになっています。しかし、県外流通だけが条例化の根拠でないことは、現在の全国的な条例化の流れを見ても明らかです。種子を県外に販売していないので本県にとって条例化の意義がないというのでは、余りに説得力がなさ過ぎるのではないでしょうか。  そして、三つ目。農業競争力強化支援法は、民間事業者に知見を提供せよというのではないかという点について、法の規定において提供しなければならないとは記載されていないという答弁。農業競争力強化支援法には、「都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すること。」とあり、「提供せよ」ではなく、「提供を促進すること」となっています。であるならば、この条文は一体何を意味しているのでしょうか。「提供すること」を想定しない、「提供を促進する」はあり得ません。私どもからすると、県当局の主張は日本語を理解しておらず、安倍首相の「募集」と「募る」は異なるとした珍答弁とさして変わりません。  そこで、知事に質問いたします。  他県がやっているから本県でもとは言いません。しかし、種子条例を検討すべき時期が来ていることは間違いないと私どもは考えています。種子条例の必要性について改めて知事のお考えをお答えください。  八点目、オリーブの県内消費拡大への取組について質問いたします。  本県の県花・県木はオリーブです。オリーブは小豆島に限定されたものではなく、香川県全体の問題。だからこそ、香川県議会オリーブ生産・産業振興推進議員連盟には全議員が加入していると考え、私どももオリーブの問題を取り上げます。  昨年、正当な手続を経て県議会を代表した視察団の一人として、私もスペインを訪れました。初日、十一月四日は朝一便で高松空港を出発し、羽田空港とシャルル・ド・ゴール空港を経由して、現地時間深夜にマドリードのバラハス空港に到着。二日目はIOC(国際オリーブ理事会)を訪問した後、アンダルシア州に移動し、アンダルシア州立研究所、スペインオリーブ自治体協会を訪問。三日目はハエン県議会、オリーブ博物館、オリーブ生産者の協同組合を訪問。四日目はオリーブオイル生産者、原産地名称保護制度組織を訪問した後、再びマドリードに。五日目は日本大使館を訪問し、サンミゲル市場を見学。夕方、再びバラハス空港からヒースロー空港を経由して、最終日の六日目、十一月九日に羽田空港を経由して、夕方、高松空港に到着という強行日程でした。  訪問先は研究機関や生産組合がほとんどで、どこも事務総長や市長等のトップに対応いただき、活発な意見交換に加え、農園や搾油所の現場も見ることができました。世界のオリーブ生産量の約半分を占めるスペインの、そのまた最大産地であるハエン県議会からは、本県と交流をしていきたいという申し出もありました。地方議員に海外視察は必要ないという意見もありますが、現場で現地の人と直接話さなければわからないことがあります。視察で大事なことは中身だと考えます。今回、参加議員全員が、帰国後に本会議や委員会で質問や報告を行っています。そうした提言は、今後のオリーブ関連事業の中で前向きに生かされていくものと確信しています。  さて、かの地に滞在しているとき痛感したのは、オリーブオイルのポピュラーさです。レストランでは必ずオリーブオイルが置いてあり、言ってみれば、日本の食堂にしょうゆが置いてあるようなものです。それだけ、オリーブオイルはヨーロッパの日常だと言えます。ただ、日本でも、関係者の努力とともに確実に普及してきたことは間違いありません。特に都会では、健康的なイメージもあり、本県も先月中旬には六本木ヒルズで香川県産Olive Marche二〇二〇を開催するなど、首都圏での売り込みにも力を入れています。  アジア圏の富裕層への売り込みも含め、売れるところにどんどん売ってほしいと考えていますが、足元の本県内の流通と消費もさらに増やしていくべきだと考えます。理想はうどん並の普及ですが、そう簡単なものではありません。問題は、オリーブの個性的な味覚と値段です。ここがうどんと大きく異なる部分です。大人はまだしも、子供にとってはオリーブの味はなかなか厳しい。なので、例えば、給食で食べやすいオリーブ料理を出して、なれてもらうことも必要だと思います。また、先日、久しぶりに結婚披露宴に出たのですが、パンに併せて出されたのはバターで、オリーブオイルは用意していないとのことでした。せめて、県内の洋食系の飲食店ではオリーブオイルは用意してほしいと思いましたし、そうなるような仕組みも要るのではないかと感じました。  さらに、価格の問題です。当たり前ですが、県内産のオイルはよいものになるほど値が張ります。自分好みのオリーブオイルを見つけるためにも、もう少し気軽に買える価格帯の商品の流通も望まれます。  そこで、知事に質問いたします。  いろいろ述べてきましたが、オリーブの県内消費拡大に向けて、本県はこれまでどのような施策を実施し、その評価を踏まえて、今後はどのように新たな施策を展開しようとしているのか、お答えください。  九点目、警察官の優秀な人材確保について質問いたします。  年末年始は警察関係の番組が結構放送されます。私がことし特に楽しみに見たのは、警察学校が舞台になったミステリー仕立てのドラマでした。元SMAPの木村拓哉さんが主役を演じた教官は、冷たく厳格な性格で、様々な事情を抱えながら入校してきた生徒に厳しく当たり、警察官になるのに不適格と思われる生徒を次々とふるいにかけて退学させていくという役柄でした。ただ、ドラマの最後は、一人前の警察官の顔になった生徒たちが、それぞれ巣立っていくというエンディングでした。現職の警察官に感想を聞いてみると、「あんなん、あるわけないじゃないですか」とあっけない一言。確かに、今ならパワハラで一発アウトという場面もありました。ただ、視聴率もそれなりに高かったようなので、このドラマを見て、県民を守る警察官に憧れる人も出てくるかもしれません。いずれにしろ、実際に警察組織で働く皆さんには、県民の安全を守り、かつ信頼できる正義の味方であってもらわなければなりません。  そんな期待を寄せる県警察ですが、どのような試験を経て採用されているのか、警察官に限定して今年度の一般試験内容を大ざっぱに見てみます。大卒程度は受付開始が三月で、一次試験は五月。身体検査、体力検査、教養・論文試験、集団面接があります。二次試験は六月で、適性検査、身体検査、口述試験があります。最終合格発表は七月で、合格者の内訳は、男性が三十三人で競争倍率は五・五倍、女性は六人で競争倍率は六・二倍。高卒程度は、試験内容は大卒程度と同じで受付開始が九月、一次試験が十月で、二次試験は十一月。合格発表は十二月で、合格者のうち、男性が二十五人で競争倍率は八・三倍。女性は五人で競争倍率は十・八倍となっています。合格者は、意思に変わりがなければ、この四月から警察学校に入校することになります。  では、どのような方法で受験者を募っているのでしょうか。県警察のホームページには採用案内のページがあり、動画で職務内容を紹介したり、リクルーターのメッセージが読めたり、さらに大学生を対象にしたインターンシップの情報も掲載されています。また、女性警察官の仕事を紹介しているページでは、働きやすい職場であることが強調されています。パンフレットでは、若手警察官が笑顔で仕事のやりがいを語り、県外出身者や転職希望者向けのチラシもあります。ポスターも含めて、こうした広報媒体に登場するのは爽やかな若手警察官がほとんどで、とにかくよいイメージを持ってもらいたいということが痛いほどわかる内容となっています。  あえて指摘しておきますが、記載してあることは本当のことでなければなりません。「そんなん、あるわけないじゃないですか」では詐欺になります。パンフレットに「働きがいがあり働きやすい。一生の仕事として選ばれる職業を目指しています。」と書いてある以上、それを実現しないと、公務職場であっても今の時代に優秀な人材は集まりません。  そこで、本部長に質問いたします。  チラシには、「香川県警察では、強さと優しさを兼ね備えた、やる気のある方を募集しています。魅力あふれる香川県で、あなたの力を発揮してみませんか!」とも書かれています。そのことを実現するために、どのような観点で、どのように優秀な人材を確保しようとしているのか、お答えください。  また、これからの時代は女性の採用が欠かせません。二〇一六年、平成二十八年には香川県警察次世代育成支援及び女性職員の活躍推進特定事業主行動計画が策定され、女性警察官の割合目標もおおむね一〇%と定められています。昨年四月時点で既に九・四%に達していますが、まだまだ少ないというのが私どもの実感です。今後の女性警察官の採用、そして勤務配置についても併せてお答えください。  最後に、旧県立体育館の取扱いについて質問いたします。  新県立体育館に関する現在の基本設計等については、午前中の議会でもありましたが、議会内でも様々な意見、考えがあり、活発な議論がなされてきました。そして、旧県立体育館の取り扱いについても、県としての方向性を示す時期が来ているのではないでしょうか。  二〇一四年、平成二十六年九月末に閉鎖された旧県立体育館の取扱いについては、これまで議会においても本会議や委員会で、取り壊すべきではないかといった方向での質問がたびたびされてきました。これに対して教育委員会は、現在は体操マットなど様々な体育器具の倉庫や県立武道館の駐車場として活用しており、新県立体育館ができるまではそうした活用を続けたい。行く行くどのようにするかは、議会、県民の意見を伺いながら、体育館以外の用途としての利用の可能性も含め、様々な観点から検討したいとの答弁を繰り返してきました。知事も、二〇一七年、平成二十九年十月の定例記者会見でも同趣旨のことを述べています。その検討期限について、当初は新しい体育館ができる時点までとの教育長答弁でしたが、その後、昨年十月の決算行政評価特別委員会においては、新県立体育館の完成予定が今の予定では令和五年度、二〇二三年度中であるが、令和四年度、二〇二二年度ぐらいまでには方向性を確定しなければならないと考えていると述べています。  故丹下健三氏が設計した旧県立体育館は、「船の体育館」の愛称とともに、その文化的価値に重きを置いて保存を求める声があり、ワールド・モニュメント財団が危機遺産リストに選定したり、地元民間団体が保存を呼びかけたりしています。そうした状況の中で、アート県を標榜し、文化・芸術を通じた地域の活性化に取り組んでいる本県が、当該建築物の取り壊しをちゅうちょしているのも分からないではありません。  しかし、旧県立体育館を閉鎖して新県立体育館を整備することを決めたのは、旧県立体育館の天井が低いために競技施設としての機能が十分でないことに加えて、その耐震改修に多額の費用が見込まれることが理由だったはずです。その結果、建てざるを得なくなった新県立体育館は、本体の建設工事費が百七十から百九十億円、さらに完成後の維持管理経費は三から四億円と想定され、収人を考慮しても多額の県負担が見込まれ、県財政へ及ぼす影響が殊さら大きい上に、場合によってはこうした見込みも上回るのではないかといったことが問題となり、厳しい目が向けられているのが現状です。  毎年財源不足が生じて、借金をして基金を大きく取り崩しながら何とかやりくりをしている本県の財政状況を鑑みると、新県立体育館の整備に加えて、旧県立体育館の保存や活用に、これ以上経費を負担する余裕はないと言わざるを得ません。私どもも旧県立体育館の文化的価値を否定するものではありませんが、もし、保存や活用を考えるのであれば、例えば民間資金の拠出による財団などをつくり、その財団に保存を委ねる方法も検討してみるべきではないでしょうか。それも一例として、とにかく本県が経費を負担しないで済む方法こそ見つけるべきだと考えます。それが見つからないのであれば、解体の方向で進めていくしか道はなくなります。いずれにしても、新県立体育館が完成してから方針を決めるのでは遅過ぎます。  そこで、教育長に質問いたします。  遅くとも旧県立体育館の替わりに新県立体育館を現実に建てる、工事に着工してもよいのかどうかを考える時点、すなわち建設工事の予算案が提示されるときまでに、旧県立体育館はどうなるのかといったことも判断材料にしないと進められない、議会の理解は得られないと思いますが、旧県立体育館の取扱いについて、今後、どのように進めていくつもりなのか、お答えください。  以上でリベラル香川の代表質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(大山一郎君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)リベラル香川代表山本議員の御質問にお答えいたします。  まず、令和二年度当初予算案等についてであります。  将来に過度の財政負担を残さない持続可能な財政運営を進めていくため、これまで県債発行の抑制に努めてきた結果、議員御指摘のとおり、増加の一途をたどってきた県債全体の残高が、財政運営指針の目標どおり、令和二年度末には減少する見込みとなりました。一方で、財政運営指針では、来年度から五年間の収支見通しが、財源対策用基金等を全て取り崩し、これまでと同様の対策を講じたとしても、なお百八十二億円の財源不足が生じるものと見込まれるなど、本県財政は一層厳しさを増しているものと認識しております。  こうした中、令和二年度の当初予算編成に当たりましては、施策の有効性の観点等からの事務事業の見直しやスクラップ・アンド・ビルドの強化など、財政運営指針に沿った一層の対策を講じるとともに、補正予算についても財政運営指針の収支見通しを踏まえ編成するなど、これまで以上に財政規律の確保に意を用いたところであります。こうしたことを踏まえて編成した令和二年度当初予算は、限られた財源を喫緊の課題である災害に強い香川づくりと人口減少問題の克服、地域活力の向上に重点的に配分し、新・せとうち田園都市創造計画の仕上げに向け、創意工夫を凝らしました。  具体的には、「信頼・安心のかがわ」の実現のため、ハード、ソフト両面での防災・減災対策を強力に推進するほか、新・かがわ健やか子ども基金事業などによる子育て環境の一層の充実、ドクターヘリの導入など医療提供体制の確保、介護人材の確保やひきこもり対策などにも積極的に取り組み、議員御指摘の信頼や共生、安心な社会づくりを進めてまいります。  また、「成長するかがわ」の実現のため、情報通信関連産業の育成・誘致に新たに取り組むとともに、県内企業の外国人材の受入れを支援するほか、「笑顔で暮らせるかがわ」の実現のため、県立学校のICT環境の整備など教育環境の充実、犬猫の譲渡推進などにも取り組んでまいります。  私といたしましては、次世代への責任の視点に立って、財政健全化との両立が果たせるよう意を用いつつ、新年度予算の効果的・効率的な執行に努め、最大の効果を上げるべく、県政の課題解決に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次に、県内中小企業の働き方改革の推進についてであります。  働く方々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会の実現に向けて、働きやすく、働きがいのある職場環境づくりを推進することは、企業における人材確保の観点からも重要であると考えております。  このため、県では、香川労働局と連携し、働き方改革関連法の内容を解説するセミナーを開催するなど制度の周知に努めるとともに、中小企業等にアドバイザーを派遣し、働き方改革に関する事例等の紹介や取組への支援を行ってきたところであります。  また、働き方改革の推進に関する自主宣言制度であるかがわ働き方改革推進宣言を行った企業等のうち、優れた成果が認められるものをかがわ働き方改革推進大賞として表彰するほか、同宣言を行い、社内労働環境の整備や在宅勤務等の柔軟な働き方を推進する中小企業等に対し、その経費の一部を助成する働き方改革環境づくり助成事業に取り組んでおります。こうした企業等の取組事例は、今後の中小企業等の取組にも役立つものと考えられることから、県のホームページに掲載し周知するなど広く情報発信しているところでありますが、今後は、これらの取組を一体的にまとめた事例集を作成しPRを行うほか、セミナー等の各種イベントにおいて積極的に紹介するなど、効果的な周知、広報を通じて優良事例の横展開につなげてまいります。さらに、既にかがわ働き方改革推進宣言を行った企業等に対しても、アドバイザーによる働きかけに努めるなど、取組の定着を図ってまいります。  加えて、働き方改革を進める上で、取組を推進する自社内の人材がおらず、十分に取組が進まないといった課題に対応するため、来年度は新たに、社会保険労務士等の専門家を講師に、現状分析、計画作成、実践等の各段階に応じた講座を開催し、必要なノウハウ等を身につけていただくとともに、自社における取組を個別訪問等によりフォローアップする働き方改革推進人材育成支援事業を実施し、中小企業内の人材育成を支援してまいりたいと考えております。  私といたしましては、中小企業における働き方改革の取組がより実効性のあるものとなるよう、中小企業における働き方改革を積極的に推進してまいります。  次は、東京オリンピック・パラリンピックに向けた取組についてであります。  まず、東京オリンピック・パラリンピックを目指す本県出身選手への支援についてでありますが、県教育委員会において、東京オリンピックに本県出身選手が五人以上出場するという目標を掲げ、昨年度から東京オリンピック候補選手強化事業を実施し、本年度はバドミントンの桃田賢斗選手を初め十四競技二十一名を指定した上で、指定選手に対し、希望に応じて、国内外の試合への旅費、競技用具の購入費、体のコンディショニングに必要な検査や治療費などの支援を行っているところです。  また、パラリンピックにつきましても、関係団体と緊密に連携しながら、香川県障害者スポーツ協会を通じ、選手や団体の強化指定を行い、強化合宿費や競技用具の購入費など選手強化全般に要する経費を助成するなどの取組を行っております。  次に、東京オリンピック・パラリンピックに向けた機運醸成につきましては、オリンピックに向けて機運醸成を図るため、全国で聖火リレーが実施されますが、議員御指摘のとおり、今大会は被災地支援という側面を有していることから、本県で開催される聖火リレーのコースには、平成三十年西日本豪雨で被災した丸亀城を含むなど、復興五輪という大会理念に沿ったコース設定を行っております。今後は、各市町にも御協力いただきながら、沿道にのぼりや横断幕等を設置するとともに、聖火リレーの詳細ルートや実施時間等をお知らせするチラシを作成し、県広報誌に折り込み、全戸配付するなど積極的に聖火リレーの周知に努めてまいります。  さらに、ハンガリーやクロアチアからの事前合宿を受入れ、関係市町と連携しつつ交流事業を実施することとしており、こうした聖火リレーの周知や事前合宿の受入れ等を通じて、大会の機運醸成につなげてまいります。  また、パラリンピックについても、オリンピックの熱気と興奮を持続させるため、聖火フェスティバルを開催することとしており、高松市など県内九市町で聖火の元となる火を採る採火式を行うとともに、その火を一つに集める集火式や開催期間中に競技中継等を行うコミュニティライブサイトなどの取組を行ってまいります。  私といたしましては、本県出身の選手が一人でも多く東京オリンピック・パラリンピックに出場できるよう、関係団体と緊密に連携しながら取り組むとともに、聖火リレーや聖火フェスティバルが安全かつ着実に実施され、県民の皆様の心に永く残るものとなるよう、鋭意準備を進めてまいります。  次に、地域交通の連携と利用促進についてであります。  本格的な人口減少・高齢化社会の到来により、公共交通の重要性は、今後、ますます高まることから、県では、鉄道を中心に県全体で利便性と結節性に優れた公共交通ネットワークの構築を目指し、基幹的な交通は県を中心に、地域に密着した交通は地元市町を中心にといった役割分担の下、その実現に向けて鋭意取り組んでいるところであります。  このため、昨年十月には、各市町や交通事業者等で構成する第一回香川県鉄道ネットワークあり方懇談会を開催し、先月三十一日の第二回懇談会では、新幹線を骨格に、利便性と結節性に優れた持続可能な公共交通ネットワークを柱とした、本県における鉄道の利用促進方策の素案をお示ししたところです。  議員御指摘のMaaSについては、交通網での乗り継ぎや支払いの円滑化が欠かせないことから、地域交通の連携強化につながるよう、ICカードの拡大、鉄道駅と連携したコミュニティーバスの運行、鉄道とバスの時刻調整など交通モード間の乗り継ぎ機能の向上などの取組について議論を行っており、来月に開催予定の第三回懇談会において、本県における鉄道の利用促進方策を取りまとめることとしております。  また、この方策に盛り込む様々な施策に継続して取り組むことが重要であることから、方策の策定後も本懇談会などにおいて、実施主体である各市町や交通事業者等と施策の実施状況等について情報共有し、方策の評価や改善などの意見交換を行いながら、緊密に連携して施策に取り組んでいくこととしております。  私としては、議員御指摘の、いわゆる地域公共交通活性化再生法の改正状況にも注視し、各市町や交通事業者等と連携しながら鉄道の利用促進方策を着実に推進していくとともに、四国の新幹線の早期実現に向け、より一層積極的に取り組むことにより、新幹線を骨格に、利便性と結節性に優れた持続可能な公共交通ネットワークの構築が図られるよう努めてまいります。  次は、食品ロスの削減に向けた取組についてであります。  県では、食品ロスの削減に向けて、食品ロス削減に資する生活習慣を「環境に賢い、身体に賢い、家計に賢いスマート・フードライフ」と名づけ、食品ロスの削減に配慮した料理作りを通じた体験イベントやセミナーを開催するほか、ショッピングセンターや市町のイベント会場等でのキャンペーンを実施するなど普及啓発に努めております。また、外食産業における食品ロスの削減を図るため、30・10運動を呼びかけるポスターやチラシ等を忘年会や新年会の時期に合わせて企業、団体や飲食店に配付するなど、家庭や事業者など県民総参加の食品ロス削減に向けて取り組んでいるところであります。  議員御指摘のとおり、食品ロスの削減の推進に関する法律が昨年十月に施行され、毎年十月を食品ロス削減月間とすることが定められるとともに、国では、今年度中に食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針を策定し、国民運動として食品ロスの削減を推進すると伺っております。  県では、来年度、国の基本方針を踏まえ、多様な主体が連携し、総合的に取組を推進するため、香川県食品ロス削減推進計画(仮称)を策定するとともに、食品ロス削減に向けた取組を実践する県内の飲食店を協力店として登録し、その取組について広報するなど、より一層の普及啓発を図ってまいります。  私といたしましては、食料の多くを輸入に依存している我が国において、まだ食べることができる食品が大量に廃棄されている現状や、国際的にも食品ロスの削減が重要な課題となっていることなども踏まえ、今後とも事業者、消費者、各市町等とも連携して、食品ロスの削減に、より一層積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。  お尋ねの、本県が受けた影響につきましては、県民の皆様から感染への不安等に関する相談が寄せられるとともに、高松・上海線については本年二月から三月の計三十六往復が運休となり、この間における同路線の利用者数は、昨年同期と比較して約一万三千人の減となる見込みであります。また、県内の宿泊施設等へ聞き取りを実施したところ、現段階では具体的なキャンセル数等については把握できておりませんが、中国を中心とした海外からの団体旅行等のキャンセルや海外への旅行商品の催行停止などに加え、国内旅行におけるキャンセルも出始めるなど、宿泊業や観光業を中心に県内経済にも影響が出てきており、今後、事態の収束が図られた際には、速やかに同路線の運航再開に向けた活動や、国内外からの誘客活動に積極的に取り組みたいと考えております。  これまでの対応といたしましては、先月二十四日に庁内の連絡会議を開催し、関係者が現状や最新の情報について情報共有を図るとともに、二十九日には県環境保健研究センターにおいてPCR検査ができる体制を整えたほか、今月三日に、県内五つの保健所に新型コロナウイルス感染症の疑いのある方の電話相談を受け付けるための窓口である帰国者・接触者相談センターを設置し、土曜日や日曜日を含め二十四時間体制で対応しており、また、商工労働部の中小企業対策相談窓口で、先月三十一日から相談に対応しているところであります。  現時点では、本県においては新型コロナウイルス感染症の患者は発生しておりませんが、疑いのある患者が発生した場合には、保健所においてその状況を確認の上、帰国者・接触者外来への受診を調整するとともに、県環境保健研究センターでPCR検査を行い、陽性が判明した場合には、濃厚接触者の健康観察を行うなど感染の拡大防止に取り組むこととしております。さらに、県民生活や県内の観光等への影響が出ていることも踏まえ、今月十日には庁内の連絡会議を拡大し、新型コロナウイルス対策検討会議を立ち上げ、必要な対策を検討しているところであります。  私といたしましては、今後とも国や保健所、医療機関等の関係機関と緊密に連携し、新型コロナウイルスの感染の拡大防止に取り組むとともに、県民生活をはじめ、県内の観光や産業など幅広い分野における具体的な影響と必要な対策について検討を行い、県民の皆様の安全・安心が確保できるよう万全を期してまいります。  次に、主要農作物種子法に代わる条例の制定についてであります。  いわゆる種子法の廃止後においても、本県の主要農作物である米麦の生産振興を図る上で、おいでまいやさぬきの夢など、県オリジナル品種等の優良な主要農作物の種子を従来と同水準の品質及び価格で安定的に供給できる体制を維持することは、極めて重要であると認識しています。  このため、香川県主要農作物採種事業実施要領を改正し、原種等の生産や奨励品種の決定など、従来の種子法に規定されていた県の役割を要領に明記し、県が中心となって、種子の生産と供給体制を堅持しています。こうした生産・供給体制の下で、従来と同様、優良な種子の生産と供給が円滑に行われていると認識しております。  また、県が有する種苗の生産に関する知見を民間事業者に提供するかどうかについては、県の判断に委ねられているところであります。県では、これまでもおいでまいやさぬきの夢については、香川県公有財産規則に基づく取扱要領により、香川県主要農作物種子協会と種子の生産など利用に関する許諾契約を締結し、種子を利用する範囲を県内に限定しているほか、生産者に対しては自家増殖種子の無断譲渡を禁止するなど、県オリジナル品種を守るための対策を講じているところであります。  このため、現時点で直ちに条例を制定することは考えておりませんが、私といたしましては、引き続き本県の主要農作物である米麦の振興を図る観点から、県が責任を持って種子の安定供給体制を構築することにより、農業者の方々が安心して高品質な農産物を生産し、消費者に供給できるよう、今後も種子の生産と供給状況や各方面の御意見などを踏まえ、必要な措置を講じてまいります。  最後に、オリーブの県内消費拡大への取組についてであります。  県としては、多くの県民の皆様に県産オリーブの魅力を身近に感じていただくことが、本県オリーブ産業の発展にとって重要であると考えております。  このため、今年度は、県内基幹量販店で旬の農産物を取りそろえてPRしているかがわ「旬のイチオシ」農産物フェアにおいて、オリーブオイルの出始め時期である十月十二日に専門家によるオリーブオイルや新漬けの食べ方セミナーを開催し、レシピも配布しながら、県産オリーブの魅力発信と販売促進に取り組んだところであります。また、十一月八日、九日には、飲食店関係者や消費者の方を対象に、本県の品質表示制度で認定された県産オリーブオイルが高品質であることの理解促進を図るとともに、県産オイルのテイスティングや県産オイルと新漬けを使った調理実習等のセミナーを開催するなど、県産オリーブへの理解を深める機会の創出に取り組んだところであります。  来年度は、こうした取組に加え、これまでの取組の中で得られたオリーブオイルに関するアンケート結果のほか、消費者や販売店の方からの御意見も踏まえ、小瓶での販売など消費者の選択の幅が広がるような商品づくりの推進に努めてまいります。さらに、子供の頃からオリーブを味わい、親しんでもらえるよう、学校給食での提供に取り組むとともに、引き続き県内量販店や各種イベントでの積極的なPR活動を展開してまいります。  私といたしましては、今後とも県民の皆様に県産オリーブの魅力や高品質化に向けた取組を広く発信するとともに、消費者ニーズに的確に対応することにより、県産オリーブの県内消費の拡大を積極的に推進してまいりたいと考えています。(降壇) ◯議長(大山一郎君)工代教育長。    (教育長工代祐司君登壇) ◯教育長(工代祐司君)リベラル香川代表山本議員の旧県立体育館の取扱いについての御質問にお答えいたします。  旧県立体育館につきましては、御承知のとおり、耐震改修工事の実施には多額の経費が見込まれたことや、一部の競技において、天井の高さなどがルールに適合しなくなってきたことなどから、平成二十六年に閉館したところです。閉館後は機械警備の費用など維持管理コストを最小限にとどめながら、体操競技のマットやバスケットスタンドなど、閉館に際し県内の他施設では受入れが困難であった大型の体育器具などを引き続き保管し、大会を開催する際に貸し出すとともに、駐車場については隣接する県立武道館の駐車場として活用しています。  これまで、今後の取扱いの方向性を新県立体育館の完成までには示したいと申し上げてまいりましたが、現状のまま利用し続けることはできない中、旧県立体育館を活用したい者がほかにいないのか、あるいは議員御指摘の県以外の第三者機関に保存を委ねたり売却したりすることが可能なのか、そうしたことも含め検討し、できるだけ早く道筋をつける必要があると考えているところであります。  県教育委員会といたしましては、来年度から庁内関係課や外部の有識者等の意見を聴きながら、県の財政状況にも十分留意しつつ幅広く検討を進め、新県立体育館の建設工事に係る予算案を提案するまでには、旧県立体育館の取扱いについての基本的な方向性をお示しできるよう努めてまいります。(降壇) ◯議長(大山一郎君)岡部警察本部長。 ◯警察本部長(岡部正勝君)リベラル香川代表山本議員の警察官の人材確保についての御質問にお答えいたします。  県警察では、県民の安全と安心を守る警察官としてふさわしい適性と能力を備えた意欲ある人材の確保のため、県警察の働きがいと働きやすさを丁寧に伝えることで理解と関心を深めてもらう観点から、様々な取組を行っております。  まず、県内外に広く情報発信するため、県警ホームページを初めとして民間の就職サイト、ユーチューブ、ツイッター、バナー広告などのインターネット媒体を積極的に活用しているところであります。これに加え、若手職員の出身校に対する人脈を生かした募集活動を強化するため、現在六十名を県警リクルーターに指定して、後輩や恩師等への個別具体的な働きかけを推進しております。  また、警察業務を実体験することで理解と関心を深めてもらえるよう、例えば、交通指導取締りや鑑識活動などを模擬的に体験できる就職説明会「警察学校へ行こう!!」や、県民に安全・安心を呼びかける原稿や動画を自ら企画・作成することで就業意識を高めるインターンシップを実施するとともに、参加者ニーズに応じ、夕刻、夜間や休日、女性限定のミニ就職ガイダンスを開催するなど、より多くの受験希望者の確保に努めております。
     次に、女性警察官の採用についてであります。  議員御指摘のとおり、県警察では、警察に対する要望の多様化、複雑化やDV、ストーカー等の女性被害者や相談者に的確に対応するため、令和三年度には警察官定数に占める女性警察官の割合が一〇%程度となるよう計画的に採用しており、現在では刑事や交通など全ての部門に女性警察官を配置しているほか、全ての警察署で女性警察官が二十四時間対応できる体制を取っているところであります。  今後も社会の変化を的確に捉えつつ、計画的に女性警察官を採用するとともに、女性の特性を生かせる部署へ配置することはもとより、能力や実績に応じて組織の中核たるポストを初めとした女性が活躍できる多種多様なポストへ配置するなど、職域の拡大を積極的に進めてまいりたいと考えております。  県警察といたしましては、県民の皆様の安全と安心を引き続きしっかりと守っていくため、今後もより一層、警察官としてふさわしい適性と能力を備えた優秀な人材の確保に向けて取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(大山一郎君)理事者の答弁は終わりました。  暫時休憩いたします。  なお、十分後に再開の予鈴を鳴らしますので、御参集をお願いいたします。                          午後四時二十一分休憩                          午後四時三十三分開議    ─────────────────────────────   出  席  議  員    大  山  一  郎 君    西  川  昭  吾 君    松  岡  里  佳 君    鏡  原  慎一郎  君    氏  家  孝  志 君    高  木  英  一 君    白  川  和  幸 君    岡  野  朱里子  君    秋  山  時  貞 君    斉  藤  勝  範 君    松  本  公  継 君    山  本  悟  史 君    米  田  晴  彦 君    木  村  篤  史 君    新  田  耕  造 君    佐  伯  明  浩 君    松  原  哲  也 君    谷  久  浩  一 君    樫     昭  二 君    山  田  正  芳 君    香  川  芳  文 君    三  野  康  祐 君    森     裕  行 君    五所野尾  恭  一 君    花  崎  光  弘 君    十  河     直 君    高  城  宗  幸 君    有  福  哲  二 君    広  瀬  良  隆 君    辻  村     修 君    石  川     豊 君    高  田  良  徳 君    竹  本  敏  信 君    尾  崎  道  広 君    宮  本  欣  貞 君    山  本  直  樹 君    黒  島     啓 君    都  築  信  行 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君   欠  席  議  員    綾  田  福  雄 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条第一項による出席者           知     事   浜  田  恵  造 君           副  知  事   西  原  義  一 君           病院事業管理者   太  田  吉  夫 君           審  議  監   安  松  延  朗 君           政 策 部 長   大  山     智 君           総 務 部 長   東  田  晃  拓 君           環境森林部長    木  村  士  郎 君           健康福祉部長    安  藤  照  文 君           商工労働部長    浅  野  浩  司 君           交流推進部長    新  池  伸  司 君           農政水産部長    国  分  伸  二 君           土 木 部 長   片  山  秀  樹 君           知事公室長     淀  谷  圭三郎  君           危機管理総局長   土  岐  敦  史 君           文化芸術局長    佐  藤  今日子  君           子ども政策推進局長 小  川  秀  樹 君           会計管理者     宮  武  卓  朗 君           病 院 局 長   岡  内  浩  二 君           教  育  長   工  代  祐  司 君           公安委員会     川  東  祥  次 君           委  員  長           警察本部長     岡  部  正  勝 君           代表監査委員    三  谷  和  夫 君           監 査 委 員   亀  井  孝  行 君           事 務 局 長           人事委員会委員   平  尾  敏  彦 君           人事委員会     岡  田  総  一 君           事 務 局 長           労働委員会     山  本  浩  司 君           事 務 局 長           政策部次長     椋  田  那津希  君    ───────────────────────────── ◯議長(大山一郎君)再開いたします。  休憩前に引き続き、代表による質疑、質問を続行いたします。  自由民主党議員会代表香川芳文君。    (香川芳文君登壇、拍手) ◯香川芳文君 私は、ただいまから香川県議会自由民主党議員会を代表して、当面する県政の諸課題について質問をさせていただきます。  質問の第一点は、令和二年度当初予算についてであります。  「人類は四年ごとに夢を見る」、先月二十一日、第二百一回通常国会の冒頭、安倍総理は施政方針演説において、一九六四年の東京オリンピックの記録映画の締めくくりの言葉を引き、令和の新しい時代をどのような時代としていくか、その夢の実現は、今を生きる私たちの行動にかかっており、新たな御代となり、オリンピック・パラリンピックを控える未来への躍動感にあふれた今こそ、地方創生や成長戦略、一億総活躍社会などの施策について、つくり上げ、切り開き、共に進めることを何度も力強く表明されました。  今、我が国は、急速に進む少子高齢化、大規模化・頻発化する自然災害、激動する国際情勢など様々な課題への対応を迫られております。そうした課題に対し、国の来年度当初予算案は、子供たちから子育て世代、現役世代、そしてお年寄りまで、全ての世代が安心できる全世代型社会保障制度への対応や深刻さを増す少子化の問題への対応、防災・減災、国土強靱化対策などを盛り込み、一般会計総額は過去最大の百二兆六千五百億円余となっております。  こうした中、本県も同様に山積する諸課題に取り組んできておりますが、少子高齢化に伴う社会保障関係経費の累増などの影響による歳出の増加、それに比して伸び悩む一般財源総額もあり、基金残高が減少を続けるなど本県の財政状況は厳しさを増しており、持続可能な財政運営のためには、慎重さと大胆さ両方の側面で強いリーダーシップを持ったかじ取りが求められるところです。  先般の十一月議会での我が会派の代表質問で、来年度予算編成のあり方に関して知事は、財政運営指針に沿って財政健全化に向けた取組を行いつつ、大きな課題と現在の計画・目標の仕上げに向け、施策を着実に推進する、さらに本県の将来の発展に資する施策にも重点を置き、創意工夫を凝らしながら予算を編成する旨の答弁をされました。安倍首相の施政方針演説にもあったように、令和の新しい時代をつくり上げ、切り開き、共に進めるための施策が必要であり、また、本当に待ったなしの状況である少子化、人口減少への対応を考えれば、人の流れを香川へ向け、持続可能な街や地域をつくっていく様々な施策に取り組んでいく必要があると考えます。  そこで、令和に入り初めての編成となった来年度当初予算において、どのような工夫を凝らしているのか、また、山積する諸問題や本県の将来の発展のために必要な課題に取り組むため、具体的にどのような施策を推進しようと考えているのか、知事にお伺いいたします。  質問の第二点は、プラスチックごみ対策の推進についてであります。  プラスチックごみについては、今年度に入り、外国政府による輸入禁止措置に関する報道が多くなってきたところであり、また、世界各地で死んだ鯨や鳥の胃から相当な量のプラスチックの破片が見つかったり、ストローが鼻に突き刺さった亀が救助されたりするといった事例もあり、プラスチックごみの不適正処理の影響が懸念されます。  現代の生活において、プラスチックは大変便利な素材であり、欠かせないものとなっています。国の資料では、一九五〇年以降に世界全体で生産されたプラスチックは八十三億トンを超え、そのうち六十三億トンがごみとして廃棄されているようです。我が国におけるプラスチックの使用量は一九八〇年代から急増しており、現在、ごみとして排出されるのは年間約九百万トンにもなります。そのうち約百五十万トンがリサイクル目的で輸出されていましたが、先ほど触れたとおり、主要輸出先であった中国の平成二十九年末の輸入禁止措置などにより、輸出量は約百万トンに減少しております。このことで、国内で廃プラスチックが滞留する問題も生じているとの報道もあります。  また、プラスチックごみの不適正処理に目を向けますと、世界全体で年間数百万トンを超えるプラスチックごみが海洋に流出し、日本でも年間約二万トンから六万トン程度流出しているとの推計があります。本県に接する瀬戸内海でも、プラスチックを含むごみ全体で一万三千トンも堆積しているという調査結果もあり、五ミリ以下の小さなプラスチック、いわゆるマイクロプラスチックが食物連鎖の中に入ることによる生態系への影響も懸念されています。  海ごみは、ペットボトルや発泡スチロールなど生活から出たごみが川などを通じて海に流れ出たものが多いと考えられています。昨年十二月一日に、飯山町のボランティアの方々が実施した大束川の河川清掃でも、そうしたプラスチックごみが大量に回収されたと聞いており、海に流れ出る前に、陸域や河川域でごみを発生させない取組が重要であると思われます。  このような状況の中、国でも昨年五月にプラスチック資源循環戦略を策定し、二〇三〇年までに一回の使用だけでごみとなるプラスチックを二五%減らすことや、二〇三五年には使用済プラスチックを全て一〇〇%有効活用することなどを目標に掲げているところであります。  さらに、大手飲食店を中心にプラスチック製ストロー廃止の動きがあり、本年七月からは、全国一律でプラスチック製買い物袋が有料化されます。先日、新聞報道もありましたが、県内スーパーのマルナカでも三月から全店でレジ袋が有料化されるようです。  本県は、白砂青松と美しい瀬戸内海の多島美、そこでとれる魚介類といった豊かな海の幸が誇りの一つです。また、これらを世界へと発信し、多くの国から観光客を迎え入れ、高い称賛を得ているところであります。このような環境や魅力を今後も維持するためにも、プラスチックごみ対策の推進が求められると考えます。  そこで、プラスチックごみ対策に向けた機運が高まる中、本県においてこの課題についてどのように考え、今後、どのように取り組もうとしているのか、知事にお伺いいたします。  質問の第三点は、高齢者が活躍するための支援についてであります。  本県の六十五歳以上の高齢者の人口は、平成三十年十月一日現在で約二十九万七千人、高齢化率は三一・五%と全国平均の二八・一%を大きく上回っており、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、二〇四〇年までの間は三十万人前後で推移すると見込まれています。一方、働き手の中核となる生産年齢人口は、平成三十年十月一日現在の約五十二万八千人から、二〇四〇年には約四十万人にまで減少すると予測されています。また、本県の百歳以上の長寿の方は令和元年九月一日現在で八百三十七名となっており、本県においても人生百年時代を見据え、誰もがより長く元気に活躍でき、安心して暮らすことができるような社会の構築に取り組む必要があります。  このような中、内閣府の高齢者の生活と意識に関する国際比較調査においては、七十歳から七十四歳の方でも約四割の人が就労を希望しているといった調査結果もあるなど、近年では、就労や社会参加への意欲を持ち続ける高齢者の方も多く、超高齢化社会を支える貴重なマンパワーとして、その豊かな経験・知識・技術を生かしながら、地域社会において積極的な役割を果たしてもらうことが求められています。また、高齢者は介護される側、支援を受ける側でもあるといった旧来の画一的なイメージは現状にそぐわず、高齢者を年齢で一律に捉えることは現実的ではないと思われることから、元気で意欲にあふれ、豊かな経験と知恵を持っている高齢者の方が、年齢にとらわれず活躍できるような社会を目指すべきではないかと考えます。  特に、本県では介護職種の有効求人倍率が四倍に近づくなど、介護人材不足が深刻であり、二〇二五年度には約二千五百人不足すると推計されていることから、これからピークを迎える介護ニーズを支える人材として、地域の元気な高齢者の方に、介護業務の支えとなってもらう仕組みの構築が必要と考えます。そして、こういった介護施設での就労の機会の提供は、高齢者の方にとっても、働きながら介護のことが学べることに加え、社会参加や社会貢献、運動などによる健康維持・介護予防の効果も期待されます。  このように、今後の高齢社会・人口減少社会に貢献したいという思いを抱く高齢者の方は多いものの、定年前と違った分野、違った形態で活躍していくには従来型の就労支援とは異なる支援が必要であり、例えば、高齢者の方が参画しやすい就労モデルを提示する、事前研修・就労マッチングをするなどの方法も考えられるのではないでしょうか。  また、県によると、二〇二五年には認知症の方が約五万六千人に増加する見込みと伺っています。この認知症の人についても、単に支えられる側として考えるのではなく、認知症の人の意思を尊重し、本人ができないことを様々な工夫や支援で補いつつ、できることを生かして希望や生きがいを持って暮らしていけるような支援をすることが必要ではないかと考えます。  そこで、高齢者の方が活躍するための様々な支援に、現在、どのような取組を行っており、今後、どう取り組んでいくのか、知事のお考えをお伺いします。  質問の第四点は、中小企業の経営支援についてであります。  中小企業は、本県の企業数の九九・八%、雇用の八割程度を占め、地域の活性化や雇用の確保など、地域経済を支える重要な役割を担っておりますが、中小企業を取り巻く経営環境は厳しさを増しており、様々な分野の産業における人手不足の顕在化や長時間労働の是正などの働き方改革への対応、風水害や地震などの頻発・激甚化する自然災害への対応、米中貿易摩擦や新型コロナウイルスなどの影響による世界経済の停滞の懸念など、課題が山積しております。  このように中小企業は様々な課題を抱えておりますが、個々の企業だけで課題を解決していくのは困難であり、商工会、商工会議所や金融機関などの地域の支援機関が中小企業に寄り添った支援をすることで、経営の安定や経営基盤の強化を図っていく必要があると考えます。このような観点から、支援機関である商工会・商工会議所の役割は一層重要となってきており、その体制を強化するための県の支援についても重要であると思っております。  また、経営者の高齢化が進む中、地域の担い手でもある中小企業が事業活動を存続し、さらに発展させていくためには、後継者への円滑なバトンタッチを支援していくことが重要であると思います。特に、事業承継は喫緊の課題であり、本県においても多くの経営者が六十歳を超えていることから、このまま何も対策を講じなければ廃業が相次ぎ、地域の活力や経済に大きな影響を与えることが懸念されています。ニッチトップの中小企業が多いとされる香川県で、それらの企業が廃業することになれば、経済的な影響以外でも大きな損失となると考えます。国においては、事業承継税制の拡充など集中的に取り組んでおりますが、中小企業の経営者は、高齢であっても、元気なうちは後継者を決定し育成しなければいけないという意識を十分に持たれていない方も多く、後継者が決まっていない中で突然経営者が倒れると、会社自体の存続が危ぶまれるといったことが起こり得ます。  先月、県は、県内企業を対象とした事業承継に関する実態調査を実施し、三千社余りからの回答を得て、調査結果を公表いたしました。これによりますと、「事業を身内・従業員・第三者に引き継ぎたい」と承継を希望している企業は約六割である一方、本人承諾のもと後継者が決まっている企業は約三割と、三社に一社しか後継者が決まっていない状況であります。後継者が決まっていない背景には、事業の将来性の不安から、高齢の経営者が跡を継がせることをちゅうちょしていたり、もしくは後継者候補が二の足を踏んでいる等といった各企業の様々な事情がうかがえます。また、この調査結果では、後継者が決まっている企業と候補者がいても後継者が決まっていない企業では、事業承継の準備状況にかなりの差があることがわかります。  事業承継は、経営者が単に若返ればいいということではなく、その企業でこれまでに培われてきた人材やノウハウ、設備など貴重な経営資源を活用し、その事業を発展させ、経営の安定を図れるよう進めていくことが大切であります。将来的な展望を持って、後継者を引きつける魅力づくりや承継後の事業発展を目指した本業の競争力の強化などの経営改善を行うことが、後継者の決定にもつながるものと考えます。
     そこで、様々な経営課題を抱える県内中小企業に対する経営支援をどのように行っていくのか、特に、喫緊の課題である事業承継についてどのように支援していくのか、知事の御所見をお伺いします。  また、新型コロナウイルスによる肺炎については終息の兆しが見えず、長期化すれば県内経済に大きな影響を及ぼすことが懸念されることから、影響を受けた中小企業に対してどのように支援していくのか、併せて知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第五点は、本県における鉄道の利用促進方策についてであります。  平成二十九年八月にJR四国の呼びかけにより四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会IIが設置され、昨年十月に開催された第五回懇談会では、四国の公共交通の将来像として、新幹線を骨格とした公共交通ネットワークの構築を目指していくとする中間整理が取りまとめられ、その実現に向けて、JR四国の経営努力や国の役割・関与に加え、地域においては鉄道の利用促進に向けた取組を今年度末までに取りまとめることが明示されました。  言うまでもなく、JR四国は、四国における公共交通機関として広域的な都市間輸送を担っており、本県においても鉄道が公共交通の基幹的な役割を担っていることから、鉄道を中心とした公共交通ネットワークを維持していくために、輸送力や定時性などに優れた鉄道の利用促進を図っていくことは大変重要であると考えております。  しかしながら、JR四国から公表された平成二十五年度から平成二十九年度までの五年間の平均線区別営業係数は、本四備讃線を除く十七線区では赤字となっています。この営業係数は、百円の営業収入を得るのに要する営業費用であり、百円未満であれば黒字で、超えれば赤字であります。一方で、本県での営業係数は八十四円から百七十五円と他県の線区と比べるとよい状況と言えるため、利用促進に取り組むことによって収支が改善され、路線の維持につながるのではないかと思っております。  本県では、昨年十月に、各市町や交通事業者等が出席して、第一回香川県鉄道ネットワークあり方懇談会が開催されました。懇談会では、今後の進め方や利用促進方策として利便性向上や利用促進を中心に具体的な取組をまとめることなどが議論され、出席者からは、鉄道の利用促進のためには二次交通が重要であることや、観光施策との連携の必要性について意見が出されたほか、鉄道駅などと結ぶ新たな電動バスであるグリーンスローモビリティーの実証実験の紹介などがあったと伺っております。  また、先月三十一日に開催した第二回懇談会では、懇談会の下に設置したワーキンググループにおいて、市町や交通事業者などと意見交換を行いながら、幅広い観点から検討して作成した鉄道利用促進方策の素案が示され、駅を中心としたまちづくりや交通結節機能の強化などの利便性向上、観光、インバウンドによる利用促進など具体的な取組内容について活発な議論が行われたところであり、今後、これまでの議論を踏まえて、来月には第三回懇談会を開催して利用促進方策を取りまとめる予定であると伺っております。  そこで、鉄道の利用促進を図っていくためには、各市町や交通事業者など関係者が協力して利便性の向上などの施策に継続して取り組んでいくことが重要であると考えますが、持続可能な公共交通ネットワークの構築に向け、本県における鉄道の利用促進方策についてどのように取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第六点は、オリーブ畜産物のブランド化の推進についてであります。  畜産業を取り巻く情勢は、担い手不足や生産資材価格の高止まりのほか、安価な輸入畜産物の増加といった国際環境の変化、家畜伝染病の発生など、対策を必要とする課題が山積しており、厳しい状況にあります。一方で、海外での和食に対する関心の高まりや訪日外国人の増加に伴い、アメリカやアジアを中心に和牛が人気となっており、新たな勝機が見出せるのではないかとの期待もあります。  本県の畜産業も、担い手や後継者不足などから廃業する農家が増え、畜産農家数は減少傾向にあり、懸念されるところです。しかし、畜種によって多少の差はあるものの、一戸当たりの飼養頭羽数は全体的に増加傾向にあるようです。これは、畜産農家や流通業者の皆さん、関係団体、行政が一丸となって、生産規模の拡大や効率化に取り組んでいる成果ではないかと考えます。将来にわたり本県の畜産業を持続的に発展させていくためには、これから先も、後継者や担い手となる若い世代の方々にとって、本県の畜産業が魅力あるものでなければなりません。このためには、畜産農家の皆さんが安心して畜産経営を続けていけることが重要であり、経営規模の拡大や生産コストの縮減、消費者から選ばれる畜産物の生産など、畜産農家の大小を問わず、これまで以上に生産基盤とブランド力の強化が求められると考えます。  本県では、小豆島の篤農家が特産のオリーブに着目し、採油後の果実からオリーブ飼料を開発してオリーブ牛という特長的なブランド牛を誕生させ、さらにはオリーブ夢豚、オリーブ豚、オリーブ地鶏が開発され、今日では三つそろったオリーブ畜産物としてブランド化が図られています。オリーブ牛は、平成二十九年の全国和牛能力共進会で特別賞の脂肪の質賞を受賞し、脂肪の質日本一の和牛として、県内はもとより国内外でも一段と高く評価され、販路が拡大してきています。しかし、他産地のブランド牛との競争はさらに激化しており、さらなるブランド力の向上が必要です。また、オリーブ夢豚、オリーブ豚は県内の量販店や飲食店等のメニューでも見かけるようにはなっておりますが、もうかる養豚業という観点からも、今後、増産や県外での販路拡大が求められているのではないでしょうか。オリーブ地鶏は、平成三十年三月の販売開始直後からマスコミに取り上げられて話題となり、注目されるとともに、量販店などでも取扱いが増えているものの、さらなる販路開拓が必要です。  そこで、地域間競争に打ち勝っていくためのオリーブ畜産物のブランド化の推進に、知事は今後、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。  質問の第七点は、近年の豪雨災害を踏まえた河川の防災・減災対策についてであります。  近年、毎年のように日本各地で、これまで経験したことのないような豪雨により深刻な被害が発生しております。昨年の十月には、台風第十九号の影響により東日本の広い範囲で記録的な大雨となり、総雨量は神奈川県箱根町で千ミリに達し、関東甲信地方と静岡県の十七地点で五百ミリを超えました。また、二十四時間雨量としては箱根町で九百四十三ミリ、静岡県伊豆市で七百十八ミリとなりました。この記録的な大雨により十三都県に特別警報が発表され、七十四河川百四十か所で堤防が決壊し、人的・物的被害は死者九十九名、行方不明者三名、住家の全半壊三万二千三十六棟、住家浸水三万三百六十八棟の極めて甚大な被害をもたらしました。  ところで、現在、本県においても予想される最大規模の降雨に基づく洪水浸水想定区域図の作成を進めていることは承知しておりますが、先般公表された中讃地域を流れる金倉川を見ますと、想定されている二十四時間総雨量が七百二十六・六ミリとなっていました。もし昨年の台風第十九号が、もう少し西に進路を取り四国に上陸していたとすれば、本県でも七百ミリを超える総雨量も予測され、おおむね千年に一度程度の想定としている豪雨が昨年、本県を襲っていたかもしれません。こうしたことを考えると、毎年、日本各地で発生している豪雨災害に対し、本県でも十分に備えておくことが極めて重要と強く思われます。  新聞報道などを見ますと、昨年の台風第十九号では川幅が狭い地域や本流の水位上昇で支流の氾濫が相次いだことが指摘されていました。また、中小河川の水位監視体制の脆弱さや、浸水が想定されていない中小河川でも氾濫が発生し、結果的に多くの住民が自宅にとどまって逃げ遅れたことも課題となっていました。こうしたことから、国においては、気候変動に伴い頻発・激甚化する水害等に対し、人命を守るとともに壊滅的な社会経済的被害を回避し、将来にわたり安全で活力のある地域をつくるため、整備効果の高いハード対策と住民目線のソフト対策を総動員し、水防災意識社会の再構築を推進する方針であると聞いております。  本県においても、近年、県内外で発生した豪雨災害を踏まえ、県民の生命・財産を守るため、昨年度の補正予算から来年度当初予算までに集中的に活用が可能な防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策に基づく予算や、台風第十九号を踏まえた今回の国の補正予算などを活用して、積極的にハード対策を進めていく必要があります。また、堤防などの施設で防ぎ切れない大洪水に対しては、住民主体の避難行動のための情報提供の充実など、ソフト対策も一体となった防災・減災対策の推進も必要と考えます。  そこで、気候変動等の影響によって豪雨が頻発化、激甚化し、河川の氾濫等の被害が甚大になると想定される中、今議会に提案された補正予算や新年度予算により、どのようにハード・ソフト対策に取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第八点は、新県立体育館の整備についてであります。  新県立体育館の整備については、昨年十二月、知事から、これまでの県議会における様々な意見やコンストラクションマネジメントの実施も踏まえた基本設計がまとまり、今後、実施設計に進んでいく旨の表明がありました。今回取りまとめられた基本設計では、新県立体育館の特徴として、スポーツの国際大会・全国大会を初め、コンサートや展示会など様々な用途に利用できるとともに、その最大収容人数は中四国最大級の約一万人とされております。加えて、交流エリアを設けた新しい発想のアリーナで、サンポート高松を訪れた人々が気楽に立ち寄れる、県民に開かれた公共空間として、多方面からのアクセス・周遊も可能とされており、香川の玄関口であるサンポート高松において、新たなランドマークとしてすばらしい施設になることを期待しているところであります。  一方、建設工事費については、基本設計段階でコスト縮減に努め、新香川県立体育館整備基本計画で定められる額に収まるとのことではありますが、一般的に実施設計では、具体的な仕様を定める中で、よりよいものを建設しようとするあまり、工事費が増加する傾向があるとも言われております。新県立体育館は十分な機能を備えた施設としなければなりませんが、県財政が厳しい状況の中、建設工事費が適正なものとなるよう、今後の設計においてもより慎重な設計、積算が求められます。  また、実施設計段階では、例えば、スポーツに関しては、公式競技に対応した照明設備、空調設備や大会運営関係の部屋、選手更衣室、シャワー室などの詳細について具体的に検討していく必要があります。さらに、様々なイベントを開催するためには、バリアフリー対策はもちろん、利用しやすいトイレや快適な音響空間、キャットウオーク、電源供給用床ピット等についても詳細に検討しなければなりません。これらの検討に当たっては、スポーツ、イベント双方の利用者目線で確認、調整が必要ではないでしょうか。  新県立体育館の整備は、旧県立体育館の閉館から五年以上が経過する中で、スポーツ関係者を初めとする県民の方々から、一日も早い完成を待ち望んでいるとの声も数多くいただいているところであります。  また、海外の有力雑誌や新聞で、二〇一九年に行くべき旅行先として「瀬戸内」がランクインしたことに続き、本年一月には海外の旅行サイトで「高松市」が日本で唯一、目的地の十選に選出されるなど、海外からも、今まさに香川県が注目されているところです。  そのような中、瀬戸内海のすばらしい景観に面したサンポート高松に魅力的な新県立体育館を整備することは、アート県としてのブランド力を高めるとともに、交流人口の拡大を通して県下全域の地域活性化にも大きく寄与するものと期待しているところであり、着実にその整備を進めていただきたいと考えております。  そこで、基本計画で定めた建設工事費を実現しつつ、利用者にとって利用しやすい施設となるよう、今後、どのように実施設計に取り組んでいくのか、知事にお伺いいたします。  以上で、香川県議会自由民主党議員会を代表しての質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(大山一郎君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)自由民主党議員会代表香川議員の御質問にお答えいたします。  まず、令和二年度当初予算についてであります。  令和二年度の当初予算編成に当たりましては、昨年十一月に見直した財政運営指針において試算した今後五年間の収支見通しが一層厳しさを増している中、施策の有効性の観点等からの事務事業の見直しやスクラップ・アンド・ビルドの強化など、一層の対策を講じつつ、限られた財源を喫緊の課題である「災害に強い香川づくり」と「人口減少問題の克服、地域活力の向上」に重点的に配分するなど、最終年度を迎える新・せとうち田園都市創造計画の仕上げに向け、創意工夫を凝らして編成いたしました。  具体的には、「信頼・安心のかがわ」の実現のため、河川・海岸の地震・津波対策や、ため池の耐震改修などを着実に進めると同時に、災害時の情報伝達体制を充実し、災害対応訓練等を強化するなど、ハード、ソフト両面での防災・減災対策を強力に推進してまいりますほか、新・かがわ健やか子ども基金事業などによる子育て環境の一層の充実、ネット・ゲーム依存対策の総合的な推進、ドクターヘリの導入など質の高い医療提供体制の確保を図るとともに、交通死亡事故抑止対策などにも取り組んでまいります。  また、「成長するかがわ」の実現のため、若者に魅力のある働く場の創出として、情報通信関連産業の育成・誘致に新たに取り組むなど、本県の将来の発展に必要な施策を講じるほか、県内企業の先端技術の導入や外国人材の受入れに対する支援、絶景や美食をテーマとした観光誘客キャンペーンの展開など、議員御指摘の人の流れを香川へ向ける施策にも積極的に取り組みます。  さらに、「笑顔で暮らせるかがわ」の実現のため、県立学校のICT環境の整備や本県独自の私立高校入学金軽減補助制度の創設などによる教育環境の充実に加え、犬猫の譲渡推進、聖火リレー等の実施による東京オリンピック・パラリンピックの機運醸成などにも取り組んでまいります。  私といたしましては、次世代への責任の視点に立って、財政健全化との両立が果たせるよう意を用いつつ、新年度予算の効果的・効率的な執行に努め、最大の効果を上げるべく、県政の課題解決に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次に、プラスチックごみ対策の推進についてであります。  プラスチックごみの発生抑制や循環的利用を図るには、これまでの大量生産・大量消費型のライフスタイルから、リデュース、リユース、リサイクルのいわゆる三Rの推進などによる循環型社会への転換が重要であり、県では、産業廃棄物を多量に排出する事業者に対する減量化や適正処理についての助言や指導などを行うとともに、環境キャラバン隊による小学校への出前講座や環境学習会での体験学習などにより県民の皆様への普及啓発に努めております。  今後、プラスチックごみ対策により効果的に取り組むため、来年度、市町や産業廃棄物の多量排出事業者の協力を得て、プラスチックごみの分別状況や事業者から排出されるプラスチックごみの処分方法等についての実態調査を実施し、減量化やリサイクル率向上に向けた課題を抽出し、それらに応じた対策を推進することとしております。  一方、プラスチックは、本県の海ごみの大半を占めており、近年、微細なプラスチック類、いわゆるマイクロプラスチックは生態系への影響も懸念されるなど、新たな課題となっております。このため、来年度、海ごみ対策推進に向けて、対岸の岡山県との連携により、海ごみについてのフォーラムを開催するなど瀬戸内海沿岸の各県との連携体制を構築し、広域による取組を推進したいと考えております。  国際的にもプラスチックごみ対策についての機運が高まっている中、私といたしましては、瀬戸内海を初め本県の自然環境を保全するため、今後とも各市町や関係機関と連携し、事業者への指導や県民の皆様への普及啓発に努めるなど、プラスチックごみの発生抑制や循環的利用の促進、海域への流出抑制等に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次は、高齢者が活躍するための支援についてであります。  急激な人口減少や少子高齢化が進展する中、人生百年時代を展望し、高齢者の方々が、生涯をより豊かで充実したものにするためには、住み慣れた地域で生きがいを実感しながら活躍していただくことが大変重要であると考えており、現在、高齢者が活躍するための様々な支援に取り組んでいるところであります。  具体的には、元気な高齢者が、地域での声かけ、見守りや居場所づくりの中心的役割を担う地域支え合い活動リーダーを、これまでに千二百六十六人養成するとともに、高齢者に地域での活躍の場を紹介する高齢者いきいき案内所を設置し、ボランティア活動や交流活動への参加など、先月末までに二千三百三件の紹介を行っております。  また、これまで介護との関わりがなかった高齢者が介護に携わるきっかけとなるよう、企業等で定年退職を予定している方や中高年齢者等を対象に、介護に関する基本的な知識や技術を学ぶ入門的研修を昨年度から県内六か所で開催しており、先月末までに百五十五人が修了したところです。こうした取組に加え、来年度には新たに介護助手導入支援事業を立ち上げ、地域の元気な高齢者を、介護施設の清掃、ベッドメイク、衣類整理、配膳等の介護の周辺業務を行う介護助手として育成することとし、介護に関する基礎的な事前研修の開催や受入施設とのマッチング、受入施設における三カ月間の研修期間中の経費等を支援することで、継続雇用につなげる取組を実施するとともに、高齢者いきいき案内所ボランティア養成事業として、介護施設等でニーズが高い傾聴や読み聞かせのボランティア養成支援を行うなど、高齢者の活躍の場をより一層広げてまいりたいと考えております。  また、高齢者がたとえ認知症になっても、その能力を生かし、社会の一員として役割を果たすことができるよう、認知症の方本人が、希望や生きがいを持って自分らしく暮らしている姿を自らの言葉で発信する講演会を開催するなど、認知症の高齢者の活躍を支援してまいります。  私といたしましては、高齢者の社会参加の促進と生きがいづくりに積極的に取り組むことにより、高齢者がその個性と能力を十分に発揮し、健康で長生きできる香川の実現を目指してまいりたいと考えております。  次に、中小企業の経営支援についてであります。  地域経済を支える中小企業の様々な経営課題の解決に向けて、経営の安定や基盤強化を支援していくことは、本県経済の持続的発展を図る上でも重要であると考えております。  このため、経営面の支援として、商工会・商工会議所の経営指導員による巡回指導や伴走型の支援などの機能強化を図るとともに、資金面の支援として、金融機関や香川県信用保証協会と協調して実施する制度融資や、かがわ産業支援財団の新かがわ中小企業応援ファンド等事業のほか、設備投資資金に対する利子補給補助やBCP策定等に係る経費助成など、県内中小企業の様々な経営課題の解決に向けて支援を行っているところであります。  議員御指摘の事業承継につきましては、商工会、商工会議所、金融機関等で構成する香川県事業承継ネットワークを活用した事業承継診断の実施等により、後継者の決定や事業承継の準備に早期に着手するよう、県内中小企業の経営者へ働きかけております。また、後継者が事業の強みや弱みを理解した上で不安なく事業を引き継げるよう、かがわ産業支援財団の事業承継支援窓口や、よろず支援拠点等において専門家による相談対応や問題解決に向けた助言を行うほか、事業承継計画の策定等に必要な経費の助成などにより、事業承継の各段階に応じた支援を行っているところであります。  私といたしましては、事業承継を初め、県内中小企業の様々な経営課題の解決に向けて、地域の関係機関と一丸となって支援し、本県経済の持続的発展が図られるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。  また、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、県内中小企業においても宿泊業や観光業を中心に影響が出てきており、商工労働部の中小企業対策相談窓口で先月三十一日から相談に対応しておりますが、国の緊急対応策を踏まえ、影響を受けた県内中小企業への今後の支援策についても検討してまいります。  次は、本県における鉄道の利用促進方策についてであります。  昨年十月に、各市町や交通事業者等で構成する第一回香川県鉄道ネットワークあり方懇談会を開催し、先月三十一日の第二回懇談会では、新幹線を骨格に、利便性と結節性に優れた持続可能な公共交通ネットワークを柱とした、本県における鉄道の利用促進方策の素案をお示ししたところです。この懇談会において市町等から、鉄道を基軸としたバス路線の再編や駅と結節したコミュニティーバスの導入、令和三年の秋に開催される四国デスティネーションキャンペーンを活用した観光素材の検討など、建設的な御意見があったことを踏まえて、来月に開催予定の第三回懇談会において、本県における鉄道の利用促進方策を取りまとめることとしております。  議員御指摘のとおり、この方策に盛り込む様々な施策に継続して取り組むことは重要であることから、方策の策定後も、本懇談会などにおいて、実施主体である各市町や交通事業者等と施策の実施状況等について情報共有し、方策の評価や改善などの意見交換を行いながら、緊密に連携して施策に取り組んでいくこととしております。  具体的には、令和二年度の当初予算に新規に鉄道利用促進方策の効果検証事業を計上し、鉄道や幹線バスなど県内幹線交通の将来交通需要を推計することにより、講じる施策の定量的な検証を行っていくこととしており、施策がより効果的に実施されるよう必要に応じて改善を図ってまいります。  私といたしましては、各市町や交通事業者等と連携しながら鉄道の利用促進方策を着実に推進していくとともに、四国の新幹線の早期実現に向け、より一層積極的に取り組むことにより、新幹線を骨格に、利便性と結節性に優れた持続可能な公共交通ネットワークの構築が図られるよう努めてまいります。  次に、オリーブ畜産物のブランド化の推進についてであります。  本県の畜産業を持続的に発展させるため、地域間競争が強まる中、オリーブ畜産物のブランド力強化に向け、生産振興や販売促進に積極的に取り組んでいるところであります。  オリーブ牛につきましては、生産拡大を推進するため、県産優良子牛やICT機器の導入支援に加えて、来年度は新たに、増頭意欲がある農家が行う牛舎等の増築・改修を県単独事業で助成するとともに、堆肥生産施設等の整備を支援することにより耕種農家の土づくりへの良質な堆肥活用など、耕畜連携による資源循環型農業を推進してまいります。また、全国和牛共進会で評価を得た脂肪の質の高さを国内外の各種イベント等で積極的にPRし、効果的な販売促進を行うとともに、優良繁殖雌牛の遺伝子解析や最適な雄牛との交配を支援し、脂肪の質が高い高品質なオリーブ牛の増産に取り組みます。  オリーブ夢豚、オリーブ豚につきましては、国の畜産クラスター事業を活用した畜舎整備や機械導入の支援により増頭を図るとともに、首都圏の量販店等での取扱いや県内業者によるプレミアムなハムなどの加工品の製造・販売を進めており、一層の生産振興と販売促進を支援してまいります。  オリーブ地鶏につきましては、増羽に向けた畜産試験場での種鶏の改良のほか、今年度初めて学校給食での食育授業や県産食材と合わせたメニューを紹介する料理教室を開催するなど、家庭消費の一層の拡大に取り組んでいます。  私といたしましては、今後とも、生産から流通・消費までの関係団体等と連携しながら、オリーブ畜産物が三つそろった本県の強みを生かして生産振興や販売促進に積極的に取り組み、一層のブランド化の推進を図ってまいります。  次は、近年の豪雨災害を踏まえた河川の防災・減災対策についてであります。  県では、これまで河川の防災・減災対策のため、河川改修やダムの建設などを推進するとともに、河川の水位情報などの防災情報を市町や県民の皆様へ提供するなど、ハード、ソフト両面にわたって対策を講じてまいりました。こうした中、近年の頻発する豪雨災害を踏まえ、今定例会に提案した河川事業の予算につきましては、国の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策の活用等により編成した来年度当初予算と、既に御議決いただいた補正予算を合わせ百十三億円余を計上し、河川の防災・減災対策に積極的に取り組むこととしております。  具体的には、まず、ハード対策については、引き続き、河川整備計画に基づく河川改修や河川堤防の強化対策等を着実に推進するとともに、樹木・堆積土砂に起因した氾濫の危険性を解消するため、集中的に取り組んでいる樹木伐採や河道掘削につきましては、これまでの十六河川に加え、新たに柞田川など六河川で着手することとしております。  一方、ソフト対策といたしましては、住民の適切な避難につながる河川情報の提供を行うため、引き続き、小型で低コストの危機管理型水位計や浸水の危険性が高い箇所への河川監視カメラの設置を進めるとともに、現在、ホームページ等で公表している危機管理型水位計のリアルタイムな水位情報に加え、新たに住民の避難判断の目安となる水位の提供についても検討していくこととしております。また、今年度から取り組んでいるダム下流河川での想定される最大規模降雨による浸水想定図の作成や、水位周知河川の新たな指定に向け調査を進めている弘田川及び新川水系の吉田川の早期の指定などにも鋭意取り組んでまいります。  私といたしましては、県民の皆様の安全・安心を確保するため、御議決いただいた補正予算の早期執行に努めるとともに、引き続き香川県大規模氾濫等減災協議会などを通じ、国や各市町と連携・協力しながら、ハード、ソフト両面から河川の防災・減災対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  最後は、新県立体育館の整備についてであります。  新県立体育館の整備につきましては、これまで類似施設の調査を行うとともに、スポーツやイベント関係者等からも御意見を伺い、様々なイベントを開催するために必要な仕様を設計内容に反映させつつ、コンストラクションマネジメントも活用しながら検討を進め、昨年十月、設計者から基本設計の成果物が提出されたところであります。この基本設計は、県議会において様々な御意見をいただいたところでありますが、新香川県立体育館整備基本計画に定める機能や建設工事費の実現、類似施設との競争力の確保など必要な整理はなされていると考え、次の実施設計に進んでいくこととしたものであります。  実施設計においては、この基本設計をベースに施設内部の間仕切りや仕上げ、設備機器の配置や仕様について具体的に検討しているところであり、更衣室・控室のレイアウトやキャットウオーク、電源・給排水設備の配置など、交流機能を高め、利用者にとって利用しやすいものとなるよう、各種スポーツ競技団体をはじめ、コンサート等のイベント主催者やMICE事業者等に対し、御指摘の点を含め、より具体的な図面や設備案を示し、確認を行ってまいりたいと考えております。  また、スポーツ競技が支障なく行えるよう、照明設備によるまぶしさや空調設備による気流の影響への配慮、不快なエコーを防ぎつつ選手間の声かけが明瞭に伝わる音響空間の確保などについて、シミュレーションも行いながら検討を行うとともに、ユニバーサルデザインの観点からも関係団体等に御意見を伺ってまいりたいと考えております。  建設工事費については、これらの機能性を確保した上で、基本計画で定める額に収めることが必要であると考えており、設計の進捗に応じて概算金額を確認するとともに、仮設工事や鉄骨工事などについて、施工面からの十分な検討を行い、細部をより具体化させながら実勢価格の把握に努めてまいります。  私といたしましては、今回の基本設計を基に進めていく実施設計について、その進捗状況について県議会に御報告するとともに、引き続き、県議会をはじめ各方面の御意見を承りながら、機能性や利便性の確保、また、工事費の遵守などについて十分意を用いた設計を進め、県民の皆様の待ち望む新県立体育館が、利用しやすく魅力ある施設となるよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(大山一郎君)理事者の答弁は終わりました。  代表による質疑、質問を終局いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(大山一郎君)議案及び陳情を、お手元に配付の委員会付託一覧表及び請願陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(大山一郎君)お諮りいたします。  委員会審査のため、二月二十一日、二月二十五日から二月二十八日まで、三月二日から三月六日まで、三月九日及び三月十日の十二日間を休会といたしたいと存じますが、御異議ありませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◯議長(大山一郎君)御異議なしと認め、そのように決定いたします。    ───────────────────────────── ◯議長(大山一郎君)以上で本日の日程は終了いたしました。  次会は、三月十一日午前十時本会議を開きます。なお、議事日程は、追って報告いたします。  本日は、これをもって散会いたします。                          午後五時二十九分散会 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....